19:世界が崩れる音 ページ19
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連れて来られたのは店の外で、ユンギさんが私にハンカチを投げ渡す
それを受け取りユンギさんを見つめれば。
YG「……お前だろ?テヒョナの相手。」
「……何、言ってるんですか。」
YG「わかってんだよ。」
ユンギさんの冷静な視線にどくんっと恐怖で心臓が音を立てる。
……何の話?何を、どこまで、知ってるのだろう
予想すら立てられないのが余計に怖い。けれど、精一杯眉を釣り上げる。安っぽい脆い虚勢。
「…急に何言って、」
YG「テヒョンと距離を置け」
その死刑宣告と同意義な言葉に、
けたたましい音を立てて、世界と虚勢が崩れ出す
「そん、なの。」
YG「出来ねぇとか言うなよ。テヒョンの為だ。」
出来るわけがない。それが出来ないから、私は。
YG「テヒョンと距離を置け。……でも、テヒョンから離れてくな」
「おかしく、ないですか…」
YG「あ?可笑しくねぇよ、俺は別に引き離したい訳じゃない」
「なら、何をしたいんですか?」
YG「……あの馬鹿なマンネの尻を叩いてやるだけだ」
私とユンギさんの間に流れ込む風が私の濡れた髪を少し揺らしていく。
冷たい感触すら今はどうでもいい
YG「少し焦れば動ける奴だからな。…そうすれば、あんただって幸せになれる。テヒョンは現状に甘え過ぎてんだよ…。」
チ、と苛立ちを抑えず舌を打つユンギさん。
YG「…あいつから離れて行くな。でも、距離は置け。」
「無理ですよ…私には」
YG「やれ。少しの間でいい。テヒョンが気づくまででいい」
ユンギさんのハンカチを握りしめてると、見兼ねたのかそれを奪われて頭に被せられる。
YG「テヒョンが欲しいんだろ?なら、やってみろ。ノーリスクで手に入れるなんて無理なんだよ
手に入れたいなら失うリスクも背負え。」
逃げ惑う私の目を、咎めないユンギさんの目。
結果がどうあれ試してみろよ。と、言い残して店の中に戻るユンギさんから恐らくタクシー代であろうウォンを渡される
……滑らかな冷たい風が頬を打つ。
「…テヒョンから、距離を置く…。」
僅かに私の世界が変わる、音がした。
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さや - 大好きです!応援してます (2020年10月4日 18時) (レス) id: 4e28762ef7 (このIDを非表示/違反報告)
ただのルート(プロフ) - knnntrkさん» 有難うございます、テヒョンを応援してくださっている方が本当に多くて愛され具合と申し訳なさが凄いです…(笑) 続編で話数さえ足りればアナザーやif物語を検討してみますね、一先ずは本編の更新を頑張ります! (2019年10月31日 19時) (レス) id: 218d49cba4 (このIDを非表示/違反報告)
knnntrk(プロフ) - す。本編ももちろん応援しています^_^ (2019年10月31日 3時) (レス) id: 0c0320d085 (このIDを非表示/違反報告)
knnntrk(プロフ) - この作品大好きです。他の方もコメントされてますが、タイトルを見るからにジョングク落ちだとわかってはいても この作品のテヒョンが好きすぎてテヒョン落ちを願ってしまいます!余裕がありましたらぜひアナザーストーリー見てみたいで (2019年10月31日 3時) (レス) id: 0c0320d085 (このIDを非表示/違反報告)
ただのルート(プロフ) - のあさん» コメントの方を有難うございます、そして落ちはもう題名を決めた時から既に決まっていたので…本当に申し訳無いです、話数さえあればifとして作れると思いますので少し検討してみますね! (2019年10月29日 2時) (レス) id: 218d49cba4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただのルート | 作成日時:2019年10月2日 9時