俺を壊せるのは、ヌナだけ

46:ブレスレット ページ46

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side JM




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JM「…………話せた？」


TH「会う約束はできた」









疲労困憊、と言いたげに壁に背を預けて軽く目を閉じるテヒョンはその唇から微かに息を漏らす




安堵の溜息なのか何なのか、俺にはわからない。










JM「…もう傷つけるなよ」


TH「傷つける気は最初から無かったけどね」


JM「何かあってももう味方してやらないから。」


TH「わかってる。」










スッ…、閉じてた目を開けたテヒョンの横顔はいつになく綺麗で。



そのまま視線を下に下げて腕を触り出す。



腕時計をつけてない方の右手首にはブレスレットが控えめにテヒョンの手首を彩る










JM「ブレスレット？珍しいな」


TH「うん、まぁこういうのは初めてかも」


JM「似合うけど仕事中邪魔じゃない？」


TH「俺のお守り代わりだから！」


JM「そんな全力で守るなよ！」









デザインが男物にしては繊細で、どんな風になってんのかな。って眺めてただけだろ。



奪わないよ失礼な。









TH「Aにあげたかったお揃いのピアスは、俺のミスでリラに渡しちゃったから…、今度は誰にもやらない。」









意外と男らしいその手と真反対な細めのブレスレットを指先で大切そうに撫でるテヒョン。










TH「…俺さ、アクセサリー類は付ける方だけどお揃いにしようって思ったの、これが2回目なんだよね」



JM「…そうなの？」



TH「1回目は十字架のピアス。2回目は、コレ。…俺はAとのお揃いしか欲しくないよ」



JM「俺に言ってどうすんの。」



TH「んー？Aに土曜日言えるように練習！」










Aに誘いを受けてもらえて嬉しいのかテヒョンは顔を綻ばせながら。



優しくそのお揃いにするつもりのブレスレットを撫でた









TH「…順番なんてもういいんだよ、俺にはAが全てだって土曜日話す。もう本当に、きっとこれが最後だから。」









息を吐きながら壁に預けた背を起こしたテヒョン










TH「ちゃんと言うよ、ピアスの事も。俺はAを愛してるって事も。…今度こそお揃いのブレスレット、喜んでくれるといいけど」









その柔らかな光を放つブレスレットは、きっとAに似合うことだけを考えたんだろう











TH「ーー…愛してる、A。」









…遅すぎる愛の言葉は、間に合うか否か。

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