11 ページ13
開けっ放しの窓からいつのまにか降っていた雨が風とともに中へ入ってくる
じっとりとした梅雨の空気が2人を包む
「それなら問題ない…ってどういう事ですか」
「あー…今のは忘れてくれ」
「…別に気にしてないですけど」
お前が聞き分け良くて助かったわーなんて言うからそれどういう意味ですかと聞こうとしたとき
持ってきたプリントを机に置こうとしたせいで紙で指を切ってしまった
これ痛いやつ…そう思ってるうちにじわじわと血が滲み出てくる
「お前指切っちゃったのか？大丈夫？ちょっと待ってな俺職員室に絆創膏あった気がするから…」
「このぐらい大丈夫です…って行っちゃった…」
私の指を見た瞬間弾かれたように教室を出て行った先生
そこまでする事ないのに…ほんと世話焼き
それ以前に私が保健室に行けば済む話なのでは？そもそも水で洗えば良かったんじゃ？と悶々と考えていたらガラッと教室の扉が開き、瀬見先生が入ってきた
手には２つの絆創膏を持って
…なんで２つ？
じっと見ていると視線に気づいたのか持っていたものをすべて私に渡す
「膝、擦りむいてね？」
「あ…さっき転んじゃって」
「意外とおてんばさんなんだな」
またくしゃっと笑う先生
そんな先生を無視して絆創膏を膝と指にペタッと貼る
「こないだから意外と、意外と…って私のことなんだと思ってるんですか」
「んんー…なんか頭の固い優等生」
「それ褒めてます？」
「褒めてるよ、多分」
うん、うんと曖昧に頷く先生を横目でじとーっと見る
それに気づくとなんだよ！？と軽くキレてくるから困る
元は貴方が原因でしょう
「お前俺のことそんなに嫌い？」
しょげしょげし始めた先生にとどめの一言
「嫌いです、とても」
「こいつ…」
「ていうか何してるんですか先生、私の進路の事ちゃんと考えてくださいよ」
「ほんとああ言えばこう言う…！」
ぶつくさ文句を言いながらも私に合う大学を一生懸命探してくれた先生
ほんとは嫌いじゃないよ、先生のこと
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましろ(プロフ) - はるまさん〜！コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。見てくださってありがとうございました！！ (2018年7月12日 22時) (
レス) id: ebaf14928f (このIDを非表示/違反報告)
はるま - お疲れ様でした。とても面白かったです！最後の展開にすごくドキドキしました〜！書いてくださってありがとうございます。とても幸せです〜！ (2018年7月7日 22時) (レス) id: b91f89fb9a (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - コメントありがとうございます！更新頑張ります〜！ (2018年3月31日 23時) (レス) id: ebaf14928f (このIDを非表示/違反報告)
明月(プロフ) - とっても面白いです！更新頑張ってください!! (2018年3月30日 21時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ありがとうございます！更新まいぺーすですがなるべく早くできるように頑張ります！！ (2018年3月14日 2時) (レス) id: ebaf14928f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ましろ | 作成日時：2018年3月4日 16時
