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「…重っ」




そう一人呟きながら、隊室のソファにスクバとチョコレートの入ってる紙袋を置き、ぼすん、と座る




自慢じゃないけど、バレンタインの日は毎年結構な量を貰うから、紙袋は必須アイテムだ(スクバくらいの大きさの)




学校で貰ったチョコ、ボーダーで貰ったチョコ、加古さんから貰った危険な香りのチョコ炒飯




くれるのは本当にありがたいけど、食べる気にはなれない




好きな人、から貰えなかった…から




こんなこと言ったらわがままだし、自惚れてんのかー、とか言われそうだけど




貰ったやつ、誰に食べてもらおうか




炒飯は後でクラスメイトの誰かにでもやるか




おれはちょっと怖いから遠慮しとくけど




チョコレート…はどうしようか、本当に




父親はともかく他女二人は友達とかから貰ってくるだろ




…唯我にでもやるか?




あいつ男子校だしモテなさそうだし(失礼)




そんな事を考えながら紙袋をちょっとのぞき込むと、めっちゃ高いところのチョコの箱があった




確かこれ、ベタにも靴箱の中入ってたやつだよな




そん時は流れ作業のように紙袋ん中に入れたからよく見てなかったけど




「…ん?」




その箱から、紙の端が出ている




ちょっと気になってその紙を引き抜いてみると、ラブレターだった




「ほほう…モテるねぇ、出水」




「ん"っ!?」




突然背後からからかうような声が聞こえてきて、思わず変な声を出す




ソファから転げ落ちるようにして振り返ると、片手を体の後に隠しにやにやしている瀬乃がいた




ラブレターはひらりと舞ってソファの上に落ちた




「せ、瀬乃…!?いつの間に…」




やっべ、声が上ずった、恥ずい




「んー?さっき」




瀬乃は紙袋の方に視線を寄越すと、一瞬だけ少し曇った表情になった




どうした、と聞こうとした時、ちらりとピンクのリボンが瀬乃の後から覗いた




どきり、心臓が跳ね上がる




単純なおれはもしかして、と期待してしまう




すぐにその思考を消し去るけど、やっぱり隠してるものがなんなのかは気になる




「瀬乃、その…」




「出水、本命から貰えたー?」




その持ってるの何、と聞こうとした時




瀬乃が言葉を遮った




少しだけ悲しそうな表情で

*→←バレンタイン



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くも。(プロフ) - 心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみさん» 注意ありがとうございます!わざわざコメントまでさせてしまい、すみません! (2018年2月3日 21時) (レス) id: 43cc02cdbb (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみ(プロフ) - オリジナルフラグ、外してください。 (2018年2月3日 21時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くも。 | 作成日時:2018年2月3日 18時

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