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episode0 召喚
薄暗い森の奥、1人の少年がバケツいっぱいの血液を地面に垂らし、魔法陣のようなものを描き続ける。
『できた』
少年は残ったバケツの血液をバチャンと投げるように捨てる。そして一冊の本を懐から取り出す。
『――――閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。――』
『――告げる――』
『――抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―』
呪文を唱え終えた瞬間陣の中から凄まじい光が出る。少年は目を凝らし、見つめていると光はやがて収まり、そこには1人の不気味な笑顔を顔に貼り付けたかのような男が立っていた。格好は緑色のパーカーにフードの所にはなにかの顔っぽいものが隠れている。
「問おう、お前が俺のマスターか?」
青年は何処からかナイフを取り出し手遊びをする。
『...うん。俺がそうだよ。よろしく』
そしてお互いに自己紹介をすることになった。
『俺の名前はアサギっていうんだ。聖杯戦争参加は実質ハジメテかな。』
「そうか。俺の名前はゾムって言うんや。クラスはアサシンよろしく」
少年―アサギはゾム...?と聞き返す。
『聞いたことある。ゾムっていえば“殺人鬼”としても有名な...』
当の本人はにやっと楽しそうにせや。と肯定する。
「よぉ知っとるんやな。ずいぶんと昔のことやけどな。隠密行動とか暗殺とか特に楽し...得意やら存分に力を使わせてもらうわ」
『うん』
アサギは思った。
――失敗だ。
よりによって反英霊な、特に快楽殺人を行うようなサーヴァントとなんて。
ゾムと云えば確かに日本で有名な人間だったから認知度のお陰でだいぶ強いだろうが...。
令呪を使って一々命令なんかできない...となると、関係を築き上げて信用を得て言うことを聞かせなければならないということ...
などと考えているうちにゾムが一歩前と近づいてきた。
『...なに?』
「ん?なんもあらへんよ?ただ、聖杯戦争はいつからかって話なんやけど...」
『もう開催されている。』
「えっ」
『もう始まっていて、お前が最後の召喚者だ。』
――
説明
令呪 三つまでサーヴァントに強制的に言うことを聞かせられる。でも無くなると契約は解除されてしまう。
反英霊 一般的には悪い事をしたが結果的には奉られ有名とかしたもの。殺人鬼とか悪い人が多い。
サーヴァントを召喚する為には生贄としての大量の血液や魔石などが必要
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作者名:みずしま | 作成日時:2018年1月14日 22時