30話 卒業編 ページ31
静まった教室、誰もいない廊下。
今日が最後だと思うとなにか感深いものを感じる。
私は一つひとつ歩きながら机を撫でていく。
そしてクラスメイトの事を思い出しながら歩いていると数人のクラスメイトが入ってきた。
「藤乃会長、もういらしてたんですか?」
『あぁ。兄と一緒に登校したらこんな時間になってね...それに、私はもう会長じゃないんだから...』
私は前会長ということでしっかりとした顔で生徒達と話す。
「そう、でしたね。藤乃さんと高校が離れてしまうのは悲しいです」
1人の女子がうぅ、と呻き声をあげて泣き始める。
その子を慰めているといつの間にか生徒は集まり、時間になったのか体育館へ向かう事となった。
――――
トントンsaid
トン「もう中学卒業か...」
俺はスーツ姿をピッチリと着こなし保護者に紛れ込みなながらも菜月が見えるベストポジションに座る。
グル「せやな。あれからもう7年か。感深いものを感じるな...」
友人代表グル氏が俺の横の席座る。
グルッペンも高そうな高級感溢れるスーツを身にまとい薄い金髪を念入りにセットしてきたと言っていた。
グル「トントン、泣くなよ?」
グルッペンがニヤニヤと笑いながら一眼レフ身に構える。
トン「お前もや。俺らもう年なんやし涙腺しっかり締めとかなあかんな...」
俺もしっかりとビデオカメラを構えた。
まず最初に卒業生が入場、国歌斉唱をし校長の挨拶が入り卒業生証書授与。そして在校生の言葉に卒業生の言葉...これは察する通り全生徒会長の菜月が前に立ち堂々と手紙を読み上げたそして最後に感謝の言葉が入る。
『――――私達をここまで育ててくれたのはお母さん、お父さん――』
この言葉を聞き、親がいない菜月になんていうこと言わせるんやと思ったが菜月はその瞬間手紙を投げ捨てた。
『私をここまで育ててくれた兄に深く感謝し、無事義務教育を果たせることが出来ました!いっぱい迷惑をかけ、いっぱいわがままを言い困らせてきました!!こんな私ですがこれからも宜しくお願いします!』
トングル「?!!」
菜月は深くお辞儀をし、自分の席に戻る。その時先生に何か言われたようだがへらっと笑っていたので問題無いようだ。
そして何事も無かったかのように卒業生の合唱が始まり、教頭が閉会の言葉を言い卒業式は無事終わった。
卒業生退場のさい、何人ものの生徒が泣いているというのに菜月だけはこちらに気づきへらっと笑っていた。
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みずしま(プロフ) - 椚(くぬぎ)さん» そう言っていただけると嬉しいです。ご指摘ありがとうございました。 (2017年7月31日 15時) (レス) id: b770df9c92 (このIDを非表示/違反報告)
椚(くぬぎ)(プロフ) - いえいえ…作品は面白かったので、これからの更新楽しみにしてます! (2017年7月31日 15時) (レス) id: ca9fe8409a (このIDを非表示/違反報告)
みずしま(プロフ) - 椚(くぬぎ)さん» わかりました!!思い付く限りのことはさせて頂きます。わざわざありがとうございました。 (2017年7月31日 15時) (レス) id: b770df9c92 (このIDを非表示/違反報告)
椚(くぬぎ)(プロフ) - 初読失礼します。たいへん面白く読ませて頂きました!しかし、おじっきょはデリケートはジャンルですので、良ければ検索避けをお願いします…気を悪くさせたら申し訳ありませんが、このジャンルの安泰のためにもよろしくお願いします^^ (2017年7月31日 15時) (レス) id: ca9fe8409a (このIDを非表示/違反報告)
みずしま(プロフ) - 銉さん» コメントありがとうございます!!私も兄妹ギャグ本当に好きなのでそこまで言って頂けると本当に嬉しいです!!時間を見つけて少しづつでも書いていくので読んでいただければ幸いです! (2017年7月31日 0時) (レス) id: b770df9c92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずしま | 作成日時:2017年7月22日 0時