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なんで、なんで断ってくれなかったのだろう。
わたしが文句を言える立場ではないけれど・・
それでもやっぱり気になってしまった。
誰もいない教室に戻ると、岸くんも数分経ってから戻ってきた。
岸「帰ろっか!」
鞄を持つ君に、隠されてる感じがして辛かった。
『ねぇッ』
私は岸くんに聞いてしまったのだ・・本当に最低だ。
『ねぇ、なんで告白断んなかったの、?』
岸「・・さぁ」
聞いてたの?って言われると思ってたけど、彼からでた言葉はそんな冷めた一言だけで・・
『さぁって、私たち一応付き合ってるよね?』
わたしは何にすがろうとしているのか・・
自分でもよく分からない。
岸「一応って・・」
苦く笑った君は私の目を離さなかった。
岸「罰ゲームなくせに?」
『・・えッ』
その言葉だけは、何をどうしてでも避けたかったのに・・
まさか彼の口からすんなりとその言葉が出るとは、少しも予想はしておらず
岸「遊びなくせに俺に嫉妬とかまじでいい加減にしてくんない?」
『・・知ってたの、?』
岸「最初から全部知ってたよ」
溜め息混じりの君はとても冷たくて、感情のこもらない言葉を次々と吐き捨てる。
優しい彼からは想像がつかないほど、
彼は怒っていた。
岸「Aは自分から告るようなキャラじゃねぇし、・・俺みたいなのがタイプじゃねーのも知ってたよ」
私のことをまるで理解してるかのように・・
そんな事を言われたら、私だって疑問が消えない。
『じゃぁなんで振ってくんなかったのッ?』
すべては自分が悪いのに、わたしはその罪を岸くんに擦り付けようとした。
でも君は苦しそうに言葉を返した。
岸「悔しかったんだよ」
『え?』
微妙な距離を保ちながら、わたしをチラチラ見ていた君は、
向きをしっかりとこちらに向けて力強く言った。
岸「好きな女に罰ゲームで告られるとかッ・・振られるより遥かに辛ぇだろ」
信じられない事実はわたしをもっと迷わせた。
岸くんは、わたしが罰ゲームで彼に告白した事を理解したうえで・・
わたしを受け入れたのだ。
岸くんの気持ちを、私は告白した時からずっとずっと苦しめていたのだ。
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まい - 岸くん。。。きゅんきゅんでした!素敵なお話ありがとうございます!! (2023年1月3日 0時) (レス) @page31 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
すかい - とても素敵な作品でした。ありがとうございました^ - ^ (2020年3月14日 21時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 切ないながらも、ハッピーエンドに繋がって良かったですね。付き合った後のストーリーも読んでみたいです。よろしくお願いします。 (2019年5月1日 22時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
えり - とっても面白くて一気に読んでしまいました。ハッピーエンドで良かったです。 (2019年2月24日 23時) (レス) id: d711019fff (このIDを非表示/違反報告)
bobrobert0830(プロフ) - 申し訳ありません。呼び捨てで投稿しちゃいました。muhe様の作品を楽しみにしております。 (2018年11月17日 23時) (レス) id: 79705ce3c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年6月11日 21時