【HQ】婿に来てええですか -2-【宮治】 (ページ6)

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54.平手打ちページ6

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家に帰ってきても、気持ちは休まるわけなかった。

『慌てて帰ってきて死ぬとか無責任もええとこやわッ
…たかがバレーの一試合やろ？ほんま、阿呆らし、』

__________バシンッ、！！！

普段じゃ滅多に見せないおとんの怖い表情。

自分の頬がジンジンズキズキと痛みを加速させる。

私いま…オトンに平手打ち喰らったん？

勢いに負けて寄ろけた私は、

そのまま地面に手をついた。

婆「アンタッ！！自分の娘に何すんねんッ」

婆ちゃんが私を抱きしめてくれたけど

心は何も救われないままやった。

父「ええ加減にせえ！いつまで強がってんねんッ
おかんはもう死んだんや！！
何を後悔してももう遅いんやぞ？」

そんなん…分かりきってること、

わざわざ言葉にせんでよ、……

悲しいやん。寂しいやん。

そんないつもの感情に上乗せする、複雑な罪悪感。

『私がバレーしてたからオカンは死んだんやろッ！！
オカンの為にやっててんッ…
ありがた迷惑もええとこやったやろなッ！！』

父「お前はちゃんとバレー好きで続けてたやろッ
おかんにええ所見せようと、必死に毎日練習してたやんッ！！
アイツが1番お前のバレー見たがっててん。
自分とバレーのせいにするなんて許さへんッ！、」

じゃぁ、なんのせいにしたらええねんッ

一生この気持ちは片付かんし、完全消化も無理や。

後悔だけが募ってって、

自分が生きてる事にすら罪悪感を持ち始めんねん。

『何やねんッ…皆して
私が居らんかったらこんな事なってなかったもんッ！！』

__________バンッ、！！

夕日も落ちきった夜道に、泣きながら家を出た。

婆「Aッ、！！」

父「母ちゃん、放っとき」

婆「アンタッ自分の娘の顔叩いて何してんねんッ
もっと言い方あるやろッ」

父「甘やかしたらあかんねん
あの子は昔っから寂しがり屋やったから
…強くなってもらわな」