【HQ】婿に来てええですか -2-【宮治】 (ページ13)

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61.正体不明ページ13

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なんでこの子、私なんかの為に

こんな念押してくれんねやろ。

？「飯はこっちが求めればいつでも美味いもんやで」

自分用に買ったであろうお握りをその場で開けては

慣れた手つきで海苔を巻いてがぶりつく。

一口めちゃくちゃ大きいな、この子。

ほんで生きてて幸せと感じされる食べ方。

なんやろこの子……見てると心が満たされた。

ぽけーと見てたらもう食べ終わってて。

まだ1分も経ってへんと思うねんけど。

『そこまで言ってくれるんなら貰おうかな、いくらした？』

財布を出そうとすると「金いらん」と拒まれた。

『え？それはあかんわ！そういうのはちゃんとせな！』

？「この前おにぎり譲ってくれたやん。あん時マジで腹減りすぎて死にそうやってん」

『お握り1個にそんな命掛かってたん？あん時』

？「せやからこれはお礼みたいなもんやな。貰っとき」

グイッと押し付けるように差し出されたレジ袋。

受け取らん理由が他に思い付かんかった。

『…なんか、ありがとぉ』

？「ちゃんと食べるんやで」

久しぶりに家族以外の人と会話したのもあってか

心がぽかぽかと暖かくなって、

適当に手を振る彼にぺこりと頭を下げて、

お握りと野菜ジュースの入った袋を大事に抱えながら家路を帰った。

『…あ、』

名前聞くの忘れてもうた。

あの男の子、一体どこの誰やッ、？

__________一方その頃。

？「サムー気済んだか？
早よ帰らなおかんに怒られるで」

？「おん」

？「あれ、無くなってるわ。まさか来たんか？あの子」

？「おん。渡したったわ」

？「うわこわー。なんぼ元気ない言うても来る確証ないんに1週間出待ちするその根性も怖いけど、マジで渡したんか！ストーカーと変わりないで」

？「うっさいなぁ。ええやろ別に。
てか先帰れ言ったやん」

？「気になるやんサムの想い人！！でもこれで一歩前進やな、名前と連絡先聞いたんやろ？」

？「ん？あ、聞いてへんわ」

？「このど阿呆っ！！！どうやって連絡すんねんッ！！」