【HQ】婿に来てええですか -2-【宮治】 (ページ11)

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59.病みモードページ11

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『…はぁ、マジで息してるだけで精一杯やわ…、』

同じ道ルートをぐるぐると何周しても

気持ちは解消する訳もなく。

逆に余計病みモードになってる気がした。

『いつまでもこんなメソメソしてたらアカンわ、
今日こそおにぎり買ってくか』

進む道を切り替えて、

いつぞやのコンビニに足を踏み入れる。

何味でもええからお握り一つ、

残ってればええなと思ってたんに

『え、ないんかいッ…売り切れやん』

「あ、すんませんッ丁度さっき二つ買ってった子おって、売り切れましたッ、！」

『あー…そうなんですか、分かりました…」

せっかく前向き思考になってたところやったのに

こうタイミングが悪いと急に何もかもやる気無くすな。

『ええわ、どうせ美味しく感じれへんし、
食べ切れるかも分からんし』

色々と都合のいい理由をつけては、

何も買わずに外に出た。

おにぎり一つで機嫌を変えてちゃ

この先マジでしんどいわ。

『はぁ、私のアホ…』

重めの溜め息をつくと、

どこからか妙な視線を感じる。

？「…」

『あ、この前の子や』

駐車ブロックに腰掛けていたのは、

先日おにぎりを譲ってあげた男の子。

ホンマにいつもおんねや。

今日もその子は上下セットのウインドブレーカーを着とる。

それ有名やから知っとるわ。

私のおかんも買ってくれたけど、

意地張って１回も使わんかったやつや…

急にオカンのこと思い出したら鼻がツンと辛くなって

涙が出そうなのを目を瞑って必死に拒んだ。

？「なぁ自分」

『え？』

そうこうしていると、

レジ袋を持った彼がこちらに近付いてくる。

『あ、私？』

？「せや、この前もコンビニ来てたやろ？」

運動部なんやろな…背は私と同じぐらい。

細いしから陸上とかかな？長距離走ってそう。

『覚えてたんや』

？「そりゃぁあんな目真っ赤にしてたらなっ」

腕を組んでは思い出すような素振り。

『恥ずかしいから忘れて！』

？「なんや、意外と元気やん」