【HQ】婿に来てええですか【宮治】

44.賄賂と孫 ページ46

治side






『あ、治くんに賄賂持ってきたで！』

治「ん、賄賂？」







鞄の中をガサゴソと漁り始めると

いつの日かのようにデカいレジ袋に入った

おにぎりが3個ほど出てきた。







『時間なるまで一旦家帰ってたんやけど、
おにぎり残ってたから！！
この前言ってた高菜も持ってきたで！
はいっ、いっぱいお食べっ！』

治「お、辛子明太子もあるやんっ。
わざわざありがとうなっ。」

『いいえ〜』






いつも制服かエプロン姿やから、

ジャージ着てるだけでえらい新鮮に感じてまう。







みんなは長袖普通に着こなしとるけど、

Aちゃんはジャージのファスナーを上まであげる癖に

腕まくりしてまうタイプらしい。






甘え袖とかせんのがらしいなと思ってしまったわ。







治「ん？肘になんかタレみたいなん付いとるで」

『え？……あ、ほんまや洗い物してきたからッ
あかんな、これやと肘美味しなってまうわ、！』







ハンカチとかティッシュちゃうくて、

ジャージの袖でゴシゴシ適当に拭くガサツさ。






それがなんや素のまんまって感じがして

この子媚びたりとか絶対せんのやろうなと思ったら

余計好きが増してく一方やった。







侑「おいッバレーしに来てんねんぞ！！
何イチャついとんねん！！」

治「喧しっ、！耳元で叫ぶなや」

『今のどこがイチャついてんねん』

角「……」

銀「喧嘩すなて！時間無くなるわ！」








__________北「おい」







他の部も居らんくなり

俺ら2年だけが体育館を占領してると思えば

聞き慣れた声が館内に響く。








北さんが居るだけで空気がピリつくんなんなんやろな。








北「お前ら練習ええけど、時間はちゃんと守れよ。
あと鍵もな」

『あ、鍵は私が責任もって戸締りします！
明日顧問の先生に返しときますんで！』

北「おんっ。ならええ。
おいお前ら、時間遅いんやからちゃんと女子送って帰れよ」

侑「お、おッス！」

銀「勿論ですッ！！！」






「ほな頑張りや」と言いながら

Aちゃんに向かって手を振った北さん。







角「あの北さんが微笑みながら手振った」

治「おん、幻か？」







飯食べに行った時もええ子言っとったし、

可愛い孫出来た感覚なんやろうな。

どこまでも人望の輪、広げてくわ。







「北先輩って怖いイメージあったけど誠実な人なんやね」

「素敵やなぁ」

「カッコイイ〜！！」






あと、なんや地味に株上がってるみたいやったわ。

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