【HQ】婿に来てええですか【宮治】

39.王子は待機 ページ41

治side






先生に「もうやめろ」言われとんのに

口の悪めな言葉が無数に飛び続けている。






『何も知らんくせに好き勝手言いやがってッ
アンタが私の人生決めんな！！
あとブランク舐めんなよ！！』







__________クスッ。





その姿を見て、

俺は思わず笑ってしまった。







角「何笑ってんの？」

治「いや、完全に立ち直っとって安心しただけや」







元気になったって言っても、てっきりまだどっかで、

重く引きずってるもんやと思っとった。







でも俺が心配する前に、

彼女は既に自分の足で起き上がった後みたいやった。







角「…さっさと言えばいいのに」

治「ん？」







窓辺に頬ずえをついて、

Aちゃんを眺める角名は相変わらずの無表情。








友B「ちょっとA、本気？」

『当たり前や！！
私は売られた喧嘩は買うスタイルやの！！
ずっとネチッこく付き纏ってきて腹たっててんっ。
バレーでボコす！！
要らん騒ぎに巻き込んだんやから
全校生徒の前で恥かかせたるわ！！！』

侑「うわー、女って怖っ、」








なんかメラメラと闘争心に火がついてしまったみたいで

でもその勢いに怯えるツムが傑作やな。







角「可愛くナヨナヨしとけばいいのにねっ。
暫くは王子様の出番ないんじゃない？」

治「出番があるかないかは知らんけど、
一人になった時に弱なんねん、きっとあの子。
まぁ今回は大丈夫そうやけどな」

角「ふーん」







Aちゃんの周りはいつも人が集まる。

今みたいな物騒な時でさえ、

人に囲まれ恵まれるんは天性もんやろか。







「Aちゃん…
私黙っててんけど中学ん時バレー部やってん」

「私もや。弟と妹の世話でバレー辞めてん。
言い出す勇気なくて…ごめんな」

「私もです。怪我して怖なってそれっきり
でもAちゃんやるなら私も一緒に試合出たい！」

「私もっ。スランプで陸上辞めて色々言われてん。
Aちゃんの気持ち、全部は分からんかもしれんけど、続けるんが正しいって言われるんは腹立つから」

「私はテニス部やった、！
球技できるか分からんけど、一緒にやりたい！」






一緒にバレーやってくれる子、

集める前に集まってしまうんは人望ってやつやろな。







治「ほんま、ダイソン並に人寄せ集めるなっ」

角「そんな呑気なこと言ってると横取りされるよ」







いつものようにスマホを弄り始めた角名やったけど、

その表情は、隠れて何も見えんかった。

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