31.セッター ページ33
治side
『お待たせしました〜!』
生姜焼き定食やら、トンカツ定食やら。
なんやめちゃくちゃ美味そうなんがぎょうさん出てきた。
銀「治のだけ最初っからご飯めっちゃ大盛りやな笑」
『お代わりもあるで!任せとき!!』
歯を出してニッと笑いながらグーサインされる。
嬉しいけど、誰にでも愛嬌でやってそうやわ。
角「あの……看板娘ちゃん?」
『ん?』
隣にいた角名がめちゃくちゃ顔を引きつらせている。
何かと思ってご飯を見れば、
俺と同じぐらいの大盛りやった。
角「俺普通って言ったんだけど。ご飯の量多くない?」
『君はもっと食べなあかんやろ!
パワーないし。すぐ怪我しそうやし。食え!』
角「ええー」
『残したら食べ終わるまで帰さんからなっ!』
そのやり取りは同じ高校に通う者同士には見えん。
銀「二コやかに怖い事言ってますね笑」
ア「なんや食堂のオバチャンみたいやな笑」
次々と運ばれてくる定食ご飯に何を思ったんか、
『あ』
侑「ん?」
Aさんはツムの前で手を止めると、
奥からカトラリーセットを持ってきた。
『侑くん、はいこれ』
侑「は?」
渡されたんは、スプーンとフォーク。
侑「なんやこれ」
『アンタは箸やなくてこれで食べ!
肉1口サイズにカットして来るわ』
ツムの前に置かれたばかりの定食は
そそくさ彼女の手によって没収される。
侑「はぁ!?おい待てやッ
何で俺だけ子供扱いやねんッ!!」
いかにもツムがキレそうな事やけど。
この子は見てるとこ、ちゃうんよな。
『ちゃうわボケ。そのテーピング、突き指やろ?
さっきメニュー表捲る時しんどそうやったやん』
侑「え、何で知ってんねん怖!!」
『普通に見たら分かるやろ。
セッターは一番指使うねんから大事にしいや?
すぐ持ってくるから待ってて』
そそくさ消えたAさんに対し、
ツムは無言で何か考えとる。
どうせ惚れたとか言い出しそうやな。
侑「え、何アイツ。
俺の事セッターとして見てくれた。惚れそう!!」
ほら。
ア「おい兄弟で取り合いとか辞めろよ?絶対面倒やから」
治「チョロ」
侑「うっさいわ!!お前に言われたないねんっ!!
さっきからずっとアイツのこと目で追って気持ち悪いねん」
ガーガーガーガー言い合いを続け、
北さんに注意を受けたのは数秒後の話。
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muhe(プロフ) - 蒼さん» ありがとうございます!引き続き楽しんで頂けるように頑張ります! (11月17日 23時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 面白すぎて一気に読んじゃいました!続き楽しみに待ってます! (11月17日 16時) (レス) @page39 id: c54129e986 (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - 詠美音さん» ありがとうございます!更新頑張ります!! (11月13日 9時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - チハルさん» ありがとうございます!引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです! (11月13日 9時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
muhe(プロフ) - もももさん» ありがとうございます!更新頻度ムラありますがお待ち頂けると助かります! (11月13日 9時) (レス) id: d22ab8e63a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2023年10月27日 22時