【HQ】婿に来てええですか【宮治】

20.壁にドンッ ページ22

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治「あぶなっ、！』

『治くん、大丈夫？」

治「おん、潰れてへんか？」

『おにぎりなら大丈夫やでっ』






潰れへんように腕をまっすぐに伸ばして

お握りファーストを徹した。






けど、なんや治くんの顔は不服そう。







治「いやそうちゃうくてAさんや」

『あ、私？そんな脆ないから平気よっ！！』






にしても、

かなりいい勢いやったからめっちゃ凄い音がした。






治「怪我は？打ってへんか？」

『ちょっと背中打ったけど大丈夫やで！
心配してくれてありがとう！』







一瞬ガラス割ってもうた思ったけど

それも大丈夫やったみたい。








父「なんやッ！偉い大きな音したけど何事やッ！！…お？」







奥で仕込みをしとったおとんが

物騒な音に慌てて飛び出してきた。







『あーオトン！この人が治くん。
婆ちゃんのお気に入りの人やでっ』







普段厨房に居ることが多いオトンは

新しい客さんの顔を知らん。







父「ほぉーん、君がかいな」







なんか舐めまわすようにめっちゃ治くんの事見てる。

やめてよ、変な父親やと思われるやんッ。







治「どうも。いつもお握り買わせて頂いてます」







礼儀正しくペコリとお辞儀してくれたんに

オトンは腕組んで眉間にシワ寄せ始めた。






父「ほんで今のはなんや、
厨房からチラッと見えたけど
今流行りの壁ドンでもしとったんか？」






何言い出すんかと思ったら…

ほんましょーもな。






『オトンそれ古いわ、何年前の少女漫画やねん！！
ほんで壁ドンちゃうし
まぁ確かにガチもんの壁にドンやったけど』






私を潰さんように気を回してくれたんか

全然治くんは倒れてこんかった。







片腕の力だけで自分の体支えとったんかな。

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