【HQ】婿に来てええですか【宮治】

プロローグ ページ1

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『婆ちゃんおはよお』

婆「おはようさん！」






その人は毎回、朝練前に

ウチの婆ちゃんお手製おにぎりを3個買ってく人で。






『今日もあの人来たん？』

婆「おん、梅と昆布とおかか買ってったで！」







にこやかに笑う婆ちゃんを見て、

店から外に顔を出す。







もう結構遠くやけど、

おにぎりが入っているであろう袋を片手に歩く長身は、

背中に"稲荷崎高校バレーボール部"と

達筆に書かれた赤いジャージを着とった。





やけに重たそうに見えるエナメルバッグは

まさに運動部って感じがする。






婆「相変わらずのイケメンやったわぁ〜」

『婆ちゃんええなぁ目の保養なって！』





客に若い人あんま居らんから

ええ刺激なっとるんは分かっとったけど、






婆「Aの婿に来てくれへんかなぁ〜」

『はぁ！？笑』






これまた夢が大きすぎるわ。






学校一緒やけど、まず話した事ないし、

有名人やから男バレなんは知っとるけども。







認識は宮兄弟の侑くんやない方

…っていうくらい乏しい。






父「俺は認めんぞ！婿なんかいらん！」






私と婆ちゃんの会話に聞き耳を立てとったオトンは

なんや機敏に反応しとる。







『違うって！勝手に話進めんでよ』







まぁ、あの人目立つしなぁ。




学校の食堂で

飯にがっついてるんは、よう見掛ける。







あと男バレが移動中の時とか、

一人だけおにぎり食うてるし。






なんやいつも食うてる人って感じ。






……あれ？

私、意外と認識しとったんか。







宮治くんのこと。

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