後輩、平野くん ~Sho.Hirano~

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さっきから的を外してばかり･･








「Aちゃん大丈夫？今日調子悪いみたいだけど」







部活の先輩にも心配をされる始末、。







やっぱり大事をとって休んでも良かったかもしれない。






でも、こんな事で休んでたら癖がついちゃうし、何より理由を作っては甘えてしまう気がしていた。








頭の片隅にモヤモヤっとそれがある。ずっとある。







それが綺麗に晴れなければ、的に当てることは当分出来ないだろう。







そう分かっていても、なかなか晴れないのは･･煮え切らない自分の思考回路のせい。








当たって砕けるのも手だけど･･そんな勇気、今の私には全くない。








気付けばあっという間に部活は終了。







片付けを済まし、一年が掃除を始めた。








岸「Aー！」







網越しに聞こえてきたそいつの声。







どんなに避けたって、やっぱり岸の声を聞いちゃうと体が反応しちゃうんだ







複雑だな。








岸「早く着替えてこいよ！」






『うん』









制服に服装を戻した岸。







暑いのか腕まくりしてて、そこから見える筋が男の人って感じで･･







やっぱりコイツ、男の人だなーなんて。








待たせてるのを申し訳ないと感じつつも、気持ちについていけなくて体は重くなる。






今日の鍵当番は自分であるため、みんなが部室から出たのを確認して鍵を閉めた。







戻って岸の所へ。







『ごめんごめん』






岸「帰んぞ！」






『･･うん』








チャリ通学の岸。





歩きの私に合わせて、自転車には乗らず隣でゆっくりとおしていた。






『はぁ、』






意味は考えればたくさんあるけど、体の奥から自然と出てきた深いため息。






岸「お前今日なんかあったの？」




『え？』




岸「だって、ずっとそんなんじゃん。」







そりゃ急に弱りだしたらおかしいって思うよね。そりゃ気付くよね。






『んー、まぁ、ちょっとあった、かな？』






はっきりということも出来ないから、なんか濁してしまった。






すると岸は口を開いた。






岸「もしかして、･･平野？」






岸は歩いていた足を止めて、急に改まった感じでそんなことを言ってきた。






思いあたりは全くないから、不覚にも変な声が出てしまう。







『なんで平野くん？』






岸「だって平野が教室帰ってからじゃん、お前おかしいの」






それは、そうなんだけど･･

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