二人の女神~sho.ren~ (ページ6)

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twin venus_6 ページ6

＊Aside

『朝練サボって怒られないの？』

紫「いつもじゃないからっ！それなに？」

『え？…あっ』

手に持っていた手紙に指をさされる。

『えっと、手紙』

紫「もらったの？」

『うん多分…下駄箱に入ってた』

本当に自分宛てなのか気になって何回も宛先を確認する。…やっぱり私宛てだ。

紫「へぇ～今どきラブレターね」

『え、あっ…そんなんじゃないよ！』

ラブレターと言われると急にテンパってしまう。そういうのに免疫がないのだ。

紫「Aちゃんってあんまお洒落しないよね」

読みたい本を探しながら図書室を歩き回っていると、子供みたいに後ろをついてくる紫耀くん。

『へ？そう？』

紫「うん。可愛い顔してるのに勿体ない」

『え、私が可愛い…、？』

紫「うん」

出る言葉を疑って足を止めたが、紫耀くんは至って普通のよう。彼は廉と違って人で遊んだりはしないみたいだ。

『可愛いなんてそんな…妹はモテるし可愛いけど、私はッ』

紫「双子なのに何言ってんの」

ご最もなツッコミをされたけど、双子といったって全部が同じわけではない。

アイラインは綺麗に引けないし、髪を巻こうとするといつも火傷しちゃう……

私は結ちゃんみたいに毎日あんなに可愛くいようなんて努力は無理だ。

『双子だけどっ、似てるのはほんと顔だけでッ』

紫「ほら、顔似てんじゃん」

『え？あ…』

紫「ふはっ！Aちゃんって面白いねっ」

なんだかアホっぽい一面を見られてしまって鏡で見なくとも耳が赤いのを自覚する。私は何訳の分からないことを言っているのだろう、。

紫「俺はAちゃん可愛いと思うよ？」

『…初めて言われた。しかも、こんなド直球に』

紫「そ？周りの奴らは見る目ないんだな」

「持つよっ」なんて言って私が抱えていた分厚い数冊の本を代わりに持ってくれる。

サラッとそんな事をするもんだから、きっとモテるんだろうな。

『紫耀くんってモテるでしょ』

紫「えっ急になに？」

驚きもしないで笑っているから私とは違って言われ慣れてるんだろうな、。まぁ、そんなの予想せずとも分かり切っていた事だけど。

『紫耀くんみたいにモテモテな男の子が彼氏だったら彼女さんも大変だろうね』

紫「俺彼女いないしっ。てか俺の事そんな風に思ってたの？」

『えっ』

紫「ふはっ！顔真っ赤だよ？」

また恥をかいてしまった。