二人の女神~sho.ren~ (ページ41)

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twin venus_41 ページ41

＊平野side

紫「何してるの？」

『へ？…ぁ、』

挙動不審にキョロキョロしだして…気付かれたくなかったのかな、？

紫「それ、虐めじゃないの？」

『ううんっ、そういうのじゃないから大丈夫だよ！ありがとう』

彼女は平気そうに笑っていたけど、目が少し…潤んでいた。

__________別の日。

俺はたまたまその光景を見てしまったんだ。

妹の結ちゃんが、Aちゃんの靴をゴミ箱に捨てているところを。

紫「何してんだよっ！！」

妹「何って、嫌がらせ」

今よりずっと冷めていて、心が無かった結ちゃん。

憎しみが彼女をそうさせたのか、それほど気が狂っていた。

紫「Aちゃんって君のお姉ちゃんでしょ？なんで？」

2人には幼馴染みの男子が居ることを知った。

ただでさえ男女の三角関係はもつれるのに…この姉妹はとても拗れていたんだ。

でも、それよりも衝撃的だったのは……

Aちゃんが気付いていたことだった。

放課後にまた上靴を探しているAちゃんを見て、どうにかしてあげなきゃ、って。

俺は俺で必死だったのかもしれない。

紫「Aちゃん…何か悩んでるなら聞くよ？俺が嫌だったら他の人でもいいんだけど、ほら、先生とかっ」

あまり直接的なことを言わない方が良いかな、と配慮したつもりだったが、、

『平野くんいつも私が靴探してるの見てるよね…気にしてくれてた、？』

恋愛には疎いのに、そういうところは過敏みたいで。

全部を察して申し訳なさそうな顔をする。

だから俺も遠回しな言い方をせずに問うことにした。

紫「それ虐めじゃないの？一人で抱え込まないで、あ、ほらサッカー部の幼馴染みは？相談したら？」

『そういうのじゃないから大丈夫』

紫「いや大丈夫じゃないでしょ？」

酷い事をされているのに、どこか冷静なAちゃん。

本人よりも俺の方が傷付いているみたいだった。

『公になったら可哀想じゃん？あの子、傷付きやすいから』

Aちゃんは最初から、妹の仕業だと分かっていたらしい。

紫「え、知ってて大人しくしてるの？」

『そんな続かないと思うから大丈夫だよほんとっ』

妹の性格を知っているからなんだろうけど、Aちゃんの言った通り……上履き事件は一ヶ月もしないで収まっていた。