二人の女神~sho.ren~ (ページ42)

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twin venus_42 ページ42

＊平野side

2年生に進級した時。

そんな事があったからAちゃんとクラスが離れるのが物凄く心配で。

その代わりに同じクラスになったのは、妹とその幼馴染みだった。

どういう奴らなのか観察してたけど…まぁ思っていた以上に三角関係はギスギス酷かった。

身内でこんな関係になるなんて、Aちゃんは心地がいいわけない。ずっと…我慢してるんだ。

自分の教室からあまり出歩かないAちゃんが、珍しく俺らの教室入ってきた事があった。

『あ、廉』

何やら手に持っていて、用があるのは幼馴染みらしい。

廉「おお珍しい、どうしたん？」

『ちょっといい？』

廉「おん」

『同じクラスの△△ちゃんにね、手紙渡して欲しいって頼まれたの、これ」

廉「あーそうなん？顔知らんからどうも言えんけど、…さんきゅ！」

廉は冷めてる感じがあるけど、その対応を見て、人からもらった手紙はちゃんと持ち帰ると感じた。

でも次の日、教室のゴミ箱にその手紙が破かれた状態で捨てられていて、大きな騒ぎになったんだ。

疑いの対象になるのは廉とAちゃんの2人。
だけど、恋が人を盲目にすると、都合のいいように話が進む。

「ねぇ何で廉くんに渡してくれなかったの？」

『渡したよッ』

「もしかして好きだったとか？」

『違うって、！、』

「だったら普通に断れば良かったのに…捨てるとかまじ最低ッ」

Aちゃんが思いっきり責められていた。
ああいう性格だから、謝ってばかりだし。

ほんと、人を好きになると周りが見えなくなるのって何なんだろな。犯人なんて冷静に考えたらすぐ分かんだろ、？

廉に対しての好きを全開にしてるのはいつも妹の結ちゃん。

幼馴染みで家も隣なんだから手紙なんて隙あらばいつでも奪える。上履きの事もあるし…彼女しか疑えなかった。

その頃から、Aちゃんは俺らの教室に顔を見せる事は無くなった。

無くなったというか……あまり廉と関わりを持たないようにしてるみたいで。

廉は廉で、犯人がAちゃんじゃないと分かって居ながらも、真犯人を問い詰めなかった。

分かってるだろうに、面倒だからなのか。

Aちゃんは他クラスで暫くの間、酷い扱いをされてたのに。

アイツらはいつも自分たちばっか被害者ヅラ……そんな奴らと一緒にいてAちゃんが幸せになれるわけないじゃん。

ふざけんなって。