二人の女神~sho.ren~ (ページ38)

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twin venus_38 ページ38

＊結side

紫「てか何しに来たの」

でも、スっと表情を戻すと相変わらずな態度で。

妹「お姉ちゃんのおめかし担当だから！リサーチしに来ましたっ」

紫「なんだよ、リサーチって」

面倒そうにそうボヤいた。

妹「初デートだよ！！気合い入るでしょ？お互いに♪」

紫「だから放っとけって。結ちゃんに口出しされるほど困ってないよ俺は」

でもお姉ちゃんがイメチェンした時、彼の反応が結構良かったのを知っている。

内心じゃ期待してるんじゃないの？

妹「お姉ちゃんが紫耀くんどういうの好きかなー？って必死に悩んでるんだよぉ～？それなのにガン無視ですか～」

紫「え？」

目を見開くと、ぽわんと間抜けな程に口を開けていた。

お姉ちゃんには御免だけど、

でもこういうのは事前に吹き込んどいて、彼のテンションを上げといた方がいいに決まっている。

妹「髪下ろしてるのとあげてるのどっちがいい？巻き髪？ハーフアップもありだけど！」

紫「……この前の」

妹「ん？」

とりあえず髪型の提案をすると、画面が見えるようにスマホを差し出してきた。

紫「カラコンしてきた時の髪型が可愛かった」

その画面に表示されていたのは、お姉ちゃんが図書室で本を読んでいる画像で。

お姉ちゃんはカメラに気付いてないから隠し撮りでもしたのだろうか？

妹「ほほ～っ！りょーかい！！てかこれ盗撮じゃなーい？いけないんだ～っ！！」

顔はイケメンなのに割とやることは変態じみてて。

キモイまでいかない絶妙なバランスを保っているのがおかしくて。

紫「だってカメラ向けたら絶対嫌がるでしょAちゃん……内緒ね？絶対言わないでよ」

茶化すと少し恥ずかしそうで。でも必死に口止めしてくるのが純粋に可愛らしかった。

紫「結ちゃんってさ」

妹「ん？」

スマホをポケットにしまうと遠くを見つめて問いてくる。

紫「Aちゃんの事好きなの？嫌いなの？」

妹「え、」

それは、あまり聞かれたくない……私を複雑にさせる質問だった。

紫「なんか、妹じゃないんだよなぁ～いつも。マジでどっちなの？」

そりゃぁ嘘でも好きと即答したいものだ。まぁ、全然嘘じゃないと、そこも否定したいくらいなんだけど。