Vanilla_1 ページ1
＊廉サイド
大学でいつもの様に講義を受けてもこれと言って面白いことは何も無い。
サークルもイマイチで、すぐに辞めてもうた。
大学生ってもっと華やかなもんを想像しとったけど、、
ハタチを迎えてもこれと言った話はゼロ。
毎日を淡々と過ごす中で、なんの刺激もなく平凡なキャンパスライフ。
そんな俺のつまらん日常も、昼間で幕を閉める。
もう迷うことなく歩ける繁華街の路地裏。
道外れにある隠れ家的存在のその店は知る人ぞ知る小洒落たバー。
その裏口から更衣室に入り、自分のロッカーに鍵を指す。
ロッカーの扉を開けてすぐに目に入ってきたのは先日、彼女が店に置いていったピアスで…
廉「やっと渡せるわ」
毎週、金曜の夜に訪れるその人は俺の意中の人。
シャツの上にベストを羽織り、髪の毛だっていつも以上に気合いを入れる。
香水やって金曜しか付けへん。
そんな俺の努力も、きっと彼女には伝わってへんやろうな、。
・
−−−カランカランっ。
そんなに騒がしくない夜の空気に混じって、ベルの音が綺麗に響く。
それと同時にカツンカツンと目立つヒールの音。
廉「いらっしゃ…いませ」
ピアスだって返したいし、
毎週この日を楽しみに待ってたんに、、
『廉くんやっほ〜〜っ、！！』
ユラユラと揺れながら無防備に微笑む彼女は既に出来上がっていた。
どこで寄り道してきたんだか…
廉「もう飲んできたんですか？」
『へへっ』
本当にムカつくわ…
廉「酒を飲むならここだけにしてくださいよ」
このまま酔いつぶられても困るからとりあえずお冷を差し出した。
実はちゃんとしたシラフで喋った事は一度もない。
いつもここに来店する時は、既に泥酔なことが多いからだ。
『あれ？廉くんって独占欲強め〜？』
くねくねしてホンマに鬱陶しいんやけど、、
いつも肩に掛けてる鞄は派手なブランドものちゃうくて…
出来る女が持つような機能性重視のシンプルなもの。
OLさんが愛用するようなごく普通なもので、、
だからちょっと思うねん、、。
『ふわぁ〜っ明日休みだよおおぉぉ〜っ？』
普段は至って真面目な人なんちゃうかなって…
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ゆー - 前から見させて頂いていて、今回の小説も面白いです！更新楽しみにしております。 (2020年2月12日 1時) (
レス) id: 7ed49a0414 (このIDを非表示/違反報告)
白米王女(プロフ) - もしよければ続きで裏出して欲しいです… (2020年1月14日 22時) (レス) id: 771a82acdb (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2019年10月27日 22時) (レス) id: a50c63b20c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2019年6月22日 20時
