glassflower_22 ページ22
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頭に派手な包帯を巻いた優太は、2週間の間、意識が回復することなく生死をさまよった。
残されたものの生き方なんて考えたこと無かったからどんどん世界は黒くなる。
優太の頬に触れればそれはまるで人形のように面影を無くしていた。
『･･優太っ、』
そう、私は今まで知らなかったんだ。
自分がいなくなることしか感覚になくて、、相手を失う恐怖というのを。
だから、紫耀を傷付けてしまった事にも強く反省していた、。
私の隣に並んだパイプ椅子は役目を果たしておらず･･紫耀は入り口の廊下でずっとうずくまっていた。
『･･紫耀、』
そこから声を掛けたけどビクともしない。
『こっちおいでよ･･』
無理やり腕を引っ張ればびっくりするほどすんなりで。
されるがままといった感じなのだろうか、彼の意思はまるでなかった。
椅子に腰を下ろさせて背中を摩ってあげる。
『優太が目覚ますの、一緒に待と？』
紫「なんで？憎めよ･･ッ、」
ボロボロと床に落ちてくその涙が、どうか運命を変えてくれればいいのだけれど
『憎むなんて無理だよ、だって･･紫耀も優太も何も悪いことしてないからっ、』
全部は悲しませる事しか出来ない自分のせいだった。
それからは毎日のように病院に通った。
そこに通えば、毎日サボらず花瓶のお花を取替えた。
いつも蒼白い優太の大きなその手を自分の両手に包み込む。
−−−−･･ピッ、･･ピッ･･、ピッ、･･･
規則正しく聞こえる心電図の音はまだ微かな希望だったんだ。
『優太は散るのも枯れるのもまだ早いよ？』
そう話しかけていればピクリと指で感じた確かな可能性。
やっと、やっと目を覚ました彼。
『優太っ、！！ほんと良かった･･』
これで元通り、のはずだった。
私の事をずっと不思議そうに見ていた彼の表情は新しくて･･喜べたのもほんの一瞬だけだった。
岸「あの･･すみません、誰、ですか？」
幸せだった頃の記憶っていうのは、いつだって思い出す事ができる、。
でも、それが出来なくなる時が来るのなら、、
先生「精神的に受けたショックが大きければ大きいほど、衝撃で脳に与える負担は強いです･･」
表に出さないだけ、そういうのを見せてくれないだけ。
優太は、記憶障害を負ってしまったんだ。
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林檎(プロフ) - ドラマみたいで感動しました。映像化してほしいです (2023年4月13日 18時) (
レス) id: 84e97ac5a3 (このIDを非表示/違反報告)
まい - 涙が止まらなかったです。。。岸くんと華ちゃんが幸せになりますよーにと願ってしまいます。。。他の作品も拝見させて頂きましたがmuheさんの書く岸くんが素敵過ぎて岸くんにどハマり気味です 笑 (2023年1月4日 21時) (レス) @page49 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - ほんとに1人号泣しました。岸くんだからこの役合ってるなって思いますありがとうございます！！こんな素敵なお話を！とても切なくて悲しい話ですが (2020年5月19日 22時) (レス) id: 9698ee50ef (このIDを非表示/違反報告)
moca - 素敵な作品ありがとうございます。何度読んでも涙が止まらず、私が読んできた作品の中で1番に大好きな作品です。こんなに作品で泣いたのは初めてです！素晴らしい作品を書いて下さり、ありがとうございました！ (2020年4月5日 21時) (レス) id: 039decc541 (このIDを非表示/違反報告)
花 - 岸くんの素敵な人柄がそのままに出ている作品で、お話の内容も、本当に素敵で、読んでいて涙が止まりませんでした。今まで読んできた作品で1番感動しました。その作品を書いてくれて、本当にありがとうございます！ (2020年4月3日 15時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年10月11日 19時
