cinderella_92 ページ44
･
でもそれに廉くんはピクリと顔を歪めただけ。
廉「俺らにお節介焼きせんといて」
私の腕を掴む力はどんどん増していって
グイッと強く引っ張るその手に拒むことが出来なかった。
怖くて竦みきった足を懸命に動かそうとするけど、それが出来たら私はそもそも恐怖と戦っていないだろう。
苦しい胸の音に耐えながらその場をあとにしようとしたけど、
岸「やめろってッッ！！！！」
すぐに割入ってきた岸くん、。
私と廉くんの手を引き離すとすぐに背中に隠されて…
廉くんよりも遥かに華奢なのに、どこか逞しく見えるのは今だからじゃない。
彼は私と出会ったあの頃からずっと、変わらず誠実なままだったんだ。
だからいつも何かに不満を抱いては呆気なくて…
でもそれは岸くんが私を大事にしてたからこそ感じるものだったのだろう。
私を背中に隠すと暖かくて大きな手にゆっくり触れた。
嘘みたいに懐かしむその感覚はやっぱり特別で
強ばっていたものがすぐに解けるようなそんな魔法と共に、、
廉「Aの事、放ったらかしにしといてようそんな事言えるなッ！！」
廉くんは強く彼を睨んでいた。
廉「もう岸くんにAを譲るつもりなんてないねん、大事に出来んかった奴が今更偉そうに言うなやッ！！」
無理やりにも再び腕を掴まれて
『れん、くんッ』
肩に嫌な力が入った。
「やめて」とも言えない弱虫な自分に
廉「AもAや…俺の言うこと聞けやッ」
きっと廉くんも苛立っていたのだろう。
何かが方向を変えて、歯車の車輪が外れたかのように狂いだした運命に、。
ガラスの靴すらない世界だったとしても、、
私は12時を過ぎたって、
魔法が解けたって、
私は結局あなたを求めてしまう。
ひん曲がりの愛だとしても、、
岸「…じゃぁお前は今Aのこと大事に出来てんのかよ」
私の王子様は、やっぱりあなたであって欲しいの。
あなたに幸せにして欲しいの。
廉「…そうやって、俺から大事なもん全部奪ってくんや」
可哀想なのは誰と言われたら全員が当てはまってしまう。
そんな複雑にも生きにくい世界なのだ。
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まなみ - どっちも応援したくなります。岸くんどこに行ってしまうのかな？すごく気になります(*´Д｀) (2019年12月23日 21時) (
レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
さとこ(プロフ) - ほんとにmuheさんの作品大好きです！どっちと結ばれても私は幸せです笑 (2019年5月3日 0時) (レス) id: 2096cfbafb (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる(プロフ) - 更新頑張ってください！！！早く岸くんみたいです笑 (2019年4月26日 1時) (レス) id: 36d39b543c (このIDを非表示/違反報告)
岸担りりここ - 更新頑張ってください！続き気になりすぎてやばいです← (2019年4月18日 17時) (レス) id: eb3522528a (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いております！これからの展開どきどきです、、！ (2019年3月29日 15時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年11月10日 22時
