cinderella_74 ページ26
・
急に真面目な顔してそんな事言うから、
『そういう目で見ないでよ』
私だって返答に困るんだ。
すると廉くんはさっきよりももっと顔を歪ませて・・
廉「俺、なんで岸くんに譲ったんやろな」
そんな事を言ってきた。
こればっかりは私に聞かれても返しようがない。
だからどういう表情でいていいのかすら分からず
『廉くん優しいもん』
思う事を口にして、少しは彼に伝わって欲しいと思ったのに、
廉「ちゃうよ」
『え?』
君はそれを否定した。
廉「俺は優しくなんかないよ、優しかったら彼氏から電話掛かってきたスマホ没収したりせんやろ」
目を見て話したいのに、君は何を恐れてるのかずっと私から逃げている。
『ねぇ廉くん、こっち見てよ』
廉「・・嫌や」
今度はずっと一点だけを見ている彼に、私は待つことした出来なかった。
暫くして、何か決心がついたのか
心の奥底に眠っていたであろう彼の本心の言葉。
その出てきた言葉は、
廉「ほんまに、・・どうしようもないくらいAが欲しかった。Aに愛してもらいたかってん」
未だに顔をあげてくれない彼とは全く目が合わない。
でもその言葉を彼の口から聞いてしまうと、もう痛いほど伝わってきたのだ。
廉「でもなんで譲ったかって、・・お前にはマジで幸せになって欲しかったんやって、何も気にせんと心から笑顔でおって欲しかった」
そんな事言われて何も感じない訳じゃない。
こんなにも私の事見てくれて、幸せを願ってくれる人が近くにいるのに、、
なんで私は今までそれに気付けなかったんだろう。
そう思うと私の感情はぐらんぐらんと酷く揺れた。
廉「でも俺やってそこまでお人好しちゃうねん」
やっと。やっと目を合わせてくれた君は申し訳なさそうに眉を曲げて私を見てきた。
廉「今の俺、めっちゃキモイで」
『なんで、?』
そんな唐突な言葉に疑問を持てば、、
廉「どうやったらAは俺に惚れんねやろって・・めっちゃ必死に考えとる」
さっきまでとは打って変わって、穴が飽きそうなくらい真っ直ぐにこちらを見てくる廉くん。
でもどこか不安げで、
廉「なっ、キモイやろ?」
私にそれを共有しようとしてきたのだ。
1959人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まなみ - どっちも応援したくなります。岸くんどこに行ってしまうのかな?すごく気になります(*´Д`) (2019年12月23日 21時) (レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
さとこ(プロフ) - ほんとにmuheさんの作品大好きです!どっちと結ばれても私は幸せです笑 (2019年5月3日 0時) (レス) id: 2096cfbafb (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる(プロフ) - 更新頑張ってください!!!早く岸くんみたいです笑 (2019年4月26日 1時) (レス) id: 36d39b543c (このIDを非表示/違反報告)
岸担りりここ - 更新頑張ってください!続き気になりすぎてやばいです← (2019年4月18日 17時) (レス) id: eb3522528a (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いております!これからの展開どきどきです、、! (2019年3月29日 15時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:muhe | 作成日時:2018年11月10日 22時