ラブハラスメント ~Ren.Nagase~

loveharassment_2 ページ2

･






『まただ･･』






ちょっと分厚目のその本を手に取り中をめくる。








廉「悪趣味な嫌がらせやな」






『いや廉くんよりマシだから！！』








定期的に私の下駄箱に入っているその本。






それは、本の系統はバラバラで、、






だけど、








『やっぱり･･』








貸出カードにはいつも " 平野紫耀 "の文字。








恐らく、私が図書委員だと知っているからここに入れるんだと思う。






返しといて、って事なのだろうか。








靴を履き替えてその貸出カードに目を落とす。








『ねぇ、これなんて読むと思う？』







隣にいた廉くんに貸出カードを見せた。







パッと見、とてもかっこいい名前。







だけど、読み方が分からない。







『ひらの、･･し？紫ってなんて読むんだろ』







一人でボソボソ喋っていると







廉「しょう」







嫌そうな顔でそう言う。








『え、知ってんの？』






廉「中学からの友達やもん」






『は！？』







いやいやいやいや、それもっと早く教えて欲しかった。







『だったらわざわざ私に渡さなくても良くない？廉くんに頼めばいい話じゃん』







廉「お前はいじめがいがあんねんて」






とか言いながら片手が自分の頭に伸びてきた。






少女漫画の世界じゃポンポンとか、優しく撫でてくれるのだろうが･･







『ちょ、やめてよ！！』






思いっきりわしゃわしゃ、ぐしゃぐしゃにされた私の髪の毛。







廉「お前にはボサボサくらいがお似合いやで」






それをボヤいて先に行ってしまった廉くん、。







ボサボサがお似合いってどういう事だよ。







ほんと、悪意剥き出しで嫌になる。







手に持っていた貸出カードを見ながらふと考える。







『しょう、くんか･･』







廉くんみたいに掴みどころのない人なのかな、？








ガッツリ嫌がらせ目的だったらどうしよう、とか考えるけど








『いや、面識ないのにそれはないか･･』






だったらわざわざ貸出カードに名前書かないだろうし、






ガチな嫌がらせなら虫とか入れるだろうし。








本の彼について今日知れたことは







名前と廉くんの友達って事くらい。









無意識にも、ちょっと気になっていた。

loveharassment_3→←loveharassment_1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す