rainyboy_42 ページ42
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表情を一切変えずに佇む廉は、タオルで髪の毛を乾かしていた手を止めた。
廉「さぁ、知らん」
『知らんじゃないでしょッ?』
私の話にいつだって乗り気じゃなかった廉、。
だけど、まさかこんな事をされるなんて思ってなくて、、
マスコットを無くした悲しみとは、また別の悲しみが私の心を支配する。
どんなに言いずらい悩みだって、廉にはたくさん言えてきた。
岸先輩のことだって、、廉なら嫌な顔してでもちゃんと話を聞いてくれた。
そんな信じていた彼なのに、、
ずっとずっと知ってる、一緒にいる廉なのに、、
『・・分かんないよッ、急に機嫌悪くなるしッ!!言いたい事あんなら言えばいいじゃんッ・・なんで黙ってこういう事すんの?ッねぇッ、!!』
黙りこくる廉に近づけばいつもと違う雰囲気で。
それが私の知っている彼のものでは無い事に、、嫌でも瞬時に気付いてしまったのだ。
廉「言いたい事言えばって・・自分は告白の一つも出来へんくせによう言うわッ!!」
『はぁ?なんでそこに繋がんのッ』
何かに苦しんでるのはすぐに分かった。
でも何にそんな苦しんでいるのか、、
それは、直接彼の口から聞かないと分からないことだった。
廉「なんでこんなに一緒にいて分からへんのッ、?」
肩を押されて、そのままベッドに叩き落ちた私の体。
−−−−ドサッ、。
廉の顔が目の前にあって、余計、感情はめちゃくちゃで。
だから彼を苦しめたのかもしれない。
幼馴染みであるからこその、、その苦しみを。
廉「好きなんやって・・ずっと」
『・・・っッ』
廉「自分が片想いなん知っとってッ、黙って惚れた男の話ずっと聞いとった俺の気持ち考えた事あるんッ、?」
掴まれたままの肩にギュッと力が入る。
そこだけがジンジンと痛みを増すから現状に頭が追いつかない。
泣きたいのは廉のはずなのに、結局、目に涙を浮かべていたのは私の方だった。
廉「ほら、受け止められへんくせにッ、俺の気持ち分かろうなんて偉そうな態度とんなやッ」
グッと距離を失った廉の唇は、私の唇にあたった。
それは乱暴な中に苦しみを残していて、ボロボロと涙は止まるどころか流れるだけ。
必死に廉の肩を叩いて、必死に抵抗しても、
結局は廉を苦しませるのだ。
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サクラ - 好きです!まじで!おもしろすぎです!! (2020年3月28日 22時) (レス) id: 2c4e782039 (このIDを非表示/違反報告)
あおこ(プロフ) - 終わっちゃった、、好きです!このお話!続編希望です!岸くんと付き合った後のお話で、、岸くんと付き合ったはずなのに廉との関係も今まで通りでそれに岸くんが妬いちゃう的なやつ!! (2018年9月15日 3時) (レス) id: 8d319b548e (このIDを非表示/違反報告)
平野かな(プロフ) - この作品とても感動しました、!岸くんピュアすぎるし、、本当に大好きな作品です!!もしよければ、続編出してほしいです。試合のことや岸くんと付き合い出してからのことなどもっと知りたいです! (2018年9月13日 3時) (レス) id: 0d5cee7618 (このIDを非表示/違反報告)
ここあ(プロフ) - 初コメ失礼します!!むへさんのTwitterもインスタも占ツクも全部読んでます!!今回の作品は岸くんがピュアすぎて(泣)私、廉担なんですけどリア恋なら岸くんがいい!なんて思ってしまいました笑でも、廉くんも好きなので新作も読ませていただきます!!頑張ってください!! (2018年9月5日 20時) (レス) id: 4d99011ff8 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!めちゃくちゃ感動しましたぁぁぁぁあ(泣)新作も読みますっ!!お気に入り作者ポチッと押しました!これからも頑張ってください! (2018年9月5日 1時) (レス) id: d9e61be587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年8月14日 23時