rainyboy_43 ページ43
･
荒く口の中に入ってきたそれに、やっぱり答えることが出来なかった。
私は顔を思いっきり背けると
いつの間にか、
−−−−バチンッ、ッッ！！！、。
廉の頬を思いっきり引っぱたいていた。
空気を切るような鋭い音に和む方法を知らない。
前髪で表情を隠したまま、下を俯く廉の片頬は真っ赤に腫れていた。
なのに、私はそれでも彼の気持ちに返事を見つけられなかった。
酸素を失った脳内は真っ白なほどに、我の考えを忘れてしまい、、
何もかもを受け付けない、、そんな苦しい中でできるのは呼吸だけで。
苦しさの中で喋れた言葉は、、
『･･ッ、ッッ、最低ッ、ッッ！！』
ひたすら廉を苦しめる言葉だった。
廉の顔を見れる勇気がなくて、私はそのまま自分の部屋へと逃げてきた。
電気もつけずに、真っ暗な中でただベッドに涙を落とす。
なんで、なんでッあんなに一緒にいて、気付いてあげれなかったのだろう。
自分の無謀さに一番腹が立っていた。
廉が彼女も作らず、毎日私とゲームをしていた意味がやっと分かった。
でも、分かるには既に遅すぎたのかもしれない。
いつの日か、放課後に言われた言葉が頭に蘇る。
" 俺が失恋した時は、慰めろよ "
痛いほどに今なら理解できて･･･
『私の馬鹿ッ･･』
私はいつだって自分の事ばかりで、。
廉の恋愛事情に触れもしなかった私は、ずっと彼の気持ちに気付かぬまま、、
ずっと苦しい思いをさせていたのだろう。
なのに、傷付いた振りして勝手に逃げてきた。
ちゃんとッ、受け止めてあげれば、こんな思いはしなくて済んだのにッ、。
私と廉の間に、溝を作らず済んだのにッ、。
分かっていてそう出来なかったのは、これからが怖かったから。
廉の気持ちを知った自分が、今まで通りに接せるかと言われたら、
そんな器用なことは絶対に出来ない。
そう、分かっていたのだ、。
だから苦しくて受け止められなかったのだ。
次の日、廉は玄関から出てくること無く･･･
「ごめんね？何か体調悪いらしくて、今日休むって」
廉のお母さんを通じてそんな事聞くなんて、、
いつもだったら、ずかずか階段を上がっていって叩き起こせたのに。
もう、無理なのだろうか。
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ｻｸﾗ - 好きです！まじで！おもしろすぎです！！ (2020年3月28日 22時) (
レス) id: 2c4e782039 (このIDを非表示/違反報告)
あおこ(プロフ) - 終わっちゃった、、好きです！このお話！続編希望です！岸くんと付き合った後のお話で、、岸くんと付き合ったはずなのに廉との関係も今まで通りでそれに岸くんが妬いちゃう的なやつ！！ (2018年9月15日 3時) (レス) id: 8d319b548e (このIDを非表示/違反報告)
平野かな(プロフ) - この作品とても感動しました、！岸くんピュアすぎるし、、本当に大好きな作品です！！もしよければ、続編出してほしいです。試合のことや岸くんと付き合い出してからのことなどもっと知りたいです！ (2018年9月13日 3時) (レス) id: 0d5cee7618 (このIDを非表示/違反報告)
ここあ(プロフ) - 初コメ失礼します!!むへさんのTwitterもインスタも占ツクも全部読んでます!!今回の作品は岸くんがピュアすぎて(泣)私、廉担なんですけどリア恋なら岸くんがいい！なんて思ってしまいました笑でも、廉くんも好きなので新作も読ませていただきます!!頑張ってください！！ (2018年9月5日 20時) (レス) id: 4d99011ff8 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！めちゃくちゃ感動しましたぁぁぁぁあ（泣）新作も読みますっ！！お気に入り作者ポチッと押しました！これからも頑張ってください！ (2018年9月5日 1時) (レス) id: d9e61be587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年8月14日 23時
