cinderellaboy_31 ページ31
･
息詰まった足を開放するように、
足首をぐるぐる回しながら隣に座った彼に言う。
『廉くんって』
廉「ん？」
『意外と見てるんだね、私の事』
すると、彼は少し気まずそうに沿っぽを向いて
廉「･･まぁ、好きやからね」
そう答えた。
また自分で空気を悪くしてしまう。
本当に自虐的な行動しか取れないのかと自分を叱りたい。
『ありがとう、』
在り来りな言葉でもちゃんと感謝の気持ちは伝わっただろうか。
いちいち彼の表情を気にしてしまうのだから重症だ。
廉「そろそろ帰ろうか？疲れたやろ慣れへんから」
『･･うん』
結局、ブラッとお店を見て歩き、ご飯を食べてデートは終わり。
廉くんはちゃんと楽しめたのか･･私を優先してくれる彼はやっぱり紳士だと思った。
廉くんに送られて家へと帰ってくると、
そこにはお父さんがいて･･
「おお！今日はデートだったのか！」
廉くんと私を交互に見るなり、パッと顔が明るくなった。
この時間はいつも仕事で家にいないのに･･
たまたまがとても偶然過ぎて嫌になる。
律儀に深々とお辞儀をする廉くんに
思わず辞めてと言いたくなった。
だけど、言える訳がなく･･
「そうだ！廉くん」
廉「？･･はい」
「今日、泊まっていきなさい」
『え』
私たちに選択肢なんてない。
全部は親の思うように動く。
「せっかく家まで来たんだし、Aだって少しでも廉くんといる時間が長い方がいいだろ」
『え？あ、･･はい』
否定したらどうなるんだろうって一瞬頭をよぎったけど、自分は馬鹿かと冷静に判断した。
「今の時期なら卒業した頃に生まれるかもしれないな」
余りにも私達の気持ちを無視したその言葉に幾ら自分のお父さんでもちょっと我慢ができなくて
声を荒らげそうになったのだが
廉「ほら、行くで？」
廉くんはボソッと私だけに聞こえる音量で言うと、お父さんにもう一度挨拶した。
「ちょ、ちょっとッ」
そのままいつの日かのように部屋へと避難してきた。
はぁ、何回繰り返せばいいのだろうか。
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まなみ - muheさん！この作品もめっちゃよきです！本当に好きです！！岸くん可愛い、かっこよすぎです．．．。これからも頑張ってください！応援してますっ！ (2019年12月23日 19時) (
レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - とてもいいお話です！悲しい気持ちにもなりましたが、先がとても気になります(o^^o) (2018年11月13日 19時) (レス) id: 580217befb (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - muheさんのお話が大好きなので、続編は凄く嬉しいです(*´`)続編も絶対に読みます!いつも素敵な作品をありがとうございます（*'‐'*)♪ (2018年11月11日 8時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 凄くいい話でした！とにかく涙が止まりませんでした。廉君のファンなので廉君の小説も書いてほしいです！最後の廉君が男らしくてかっこよかったです！主人公と同じ気持ちだったらメンタルズタズタです笑とても良い作品だったのでまたかいてください！面白かったです！ (2018年11月11日 1時) (レス) id: 3c05e4ba15 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひひ(プロフ) - みんな切なすぎて涙が止まりませんでした！！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: f98c1baa62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年7月29日 19時
