35.安らぎをあなたへ ページ35
どうしよう、何言ってんの私。シャオロンさんびっくりして黙ってしまったじゃないか。恥ずかし過ぎて死にたい。
苦しくなるのを承知でうつ伏せになる。意外と枕の質が良くて予想以上に顔が沈みこんだ。
「__っ！！」
「窒息死するで？！」
うめき声をあげたら肩を掴まれひっくり返された。見る人が見たら勘違いされそうな体勢だ。羞恥心に耐えられず目を逸らす。きっと私の顔はりんごみたいに真っ赤になっているだろう。
「……お前意外と可愛いんやな」
「待ってください、今それ言われたら惚れるんでやめてください」
「ショッピくんの時と違って単純なんやな？！」
ショッピさんのは明らかにからかわれてるの丸わかりだもん。これとは状況が全然違うわ。
彼は疲れきった顔でため息をついて、ソファに座る。私は無言で元の体勢に戻った。眠る気は無いけど。
正直、眠るのが怖いのだ。目をつむった瞬間に嫌な考えがどっと押し寄せてくるのがしんどかった。夢の中で毒々しいものを纏った怪物が囁いてくるのが辛かった。
多分、あれは私の心の1部だ。醜い自分が具現化したものだ。あんなの出来れば見たくない。私は可愛い私だけで充分なの。
そういえば、昔も眠るのが怖い日々があった。
小学生の頃、明日が来るのが嫌で嫌で仕方がなくて、眠るのを嫌がる私をお父さんが慰めてくれた。
お話しをしてくれたり、頭を撫でてくれたり、話すこともままならないくらいに疲れきっていたときは一緒に寝てくれたんだっけ。暖かな身体で私を包み込んでくれた。それだけで安心して眠ることが出来た。
多分そのせいでさっきはあんなこと言っちゃったんだ。寂しくなってしまったから。
その事をシャオロンさんは感じ取って、ここにいてくれる。本当は他にもやりたいことがあるはずなのに。
心配させない為にも寝なきゃいけないな。
「シャオロンさん……」
「なんやねん。まだ起きとったのか」
「睡眠薬ありますよね。ください」
シャオロンさんは立ち上がり、私の額を弾いた。めっちゃ痛い。
「そんなもんに頼りたくなるほどなんか？」
心配そうな顔で見つめられる。顔と言動が一致してないんだけど。
私が黙って頷くと、彼は唐突に私の手を握りだした。
「子どもって手を繋いでやると安心して眠れるらしいで」
「子どもじゃないです」
「俺からしたら充分子どもや。しばらくこうしていても眠れんかったら持ってきてやる」
「……分かりました」
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もちちも(プロフ) - はじめまして。お話の内容や進み方など全て好みで読みやすく思わずコメントしてしまいました（ ; ; ）これからも更新楽しみにしております。 (2019年2月16日 18時) (
レス) id: 11fc00f5c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泥濘ミシェル | 作成日時：2018年12月24日 21時
