【d!】主役にクリスマスローズを【夢】 (ページ33)

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33.ハグレモノたちよページ33

目を覚ますと薄暗い部屋で硬いベッドの上で目が覚めた。デジャヴ。

　相変わらず何が起こったのかは曖昧だ。なんで最後の最後で気を失ったんだっけ。

　まぁ、それも後でゆるふわドクターしんぺい神さんが今回のことを説明してくれるんだろうな。

「やぁ、お目覚めかな？」

　誰ですか貴方。怪しい狐面を被っているけど白衣着てるからこの方もお医者様？しんぺい神さん以外のお医者さんといえば、

「もしかしてくられ先生ですか？」
「その通り！僕は鬱くんに頼まれてAちゃんの事を調べさせてもらったんだ」

　あー、この人がくられ先生なのね。最悪の場合この人に頼もうとか言ってた、あのくられ先生。彼は一体私の何を調べたんだろう。ただの可愛い女子高生だってことしか出てこない普通の人だけど。

　くられ先生はピラっと1枚の紙を見せてくれたが、意味不明な化学物質が並べられていて理解が出来ない。なんか、猛毒とか書かれてるけど。私に何の関わりがあるというのか。

「これは即死級の猛毒なんだけどね、君はそれを打たれたのに生きている。これは人間じゃありえないことなんだ」

　即死級の猛毒を食らった？！

　え、でも私あの時脇腹が猛烈に痛かっただけで普通に立っていられたんだよね。

　それって、それって。

「コネシマさんたちと、同類ってことですか？」

「そうだね。君の血には毒がある。体内に入らなければ何も効果は無いけど。オマケに強力な毒耐性と果てしない生命力、まるで植物が人間になったみたいだ。彼等と同じ、異能持ちさ」

　あぁ、そういう事か。

　1年間飲まず食わずで生きてこられたのはこの能力のおかげだったのか。

　体内に毒があるとか、化物じゃないか。

　そうだよね、そりゃ化物の娘を持ってたら誰だって嫌になるよね！

　お父さんはこの事を知っていたんだ。

　だからあの時助けてくれなかった。

　だから手を取ってくれなかった。

　なんて馬鹿なんだろう。

　それにしても本当に優しい人だ。

　まるで人間のように扱うから。

　まるで本当に愛してくれているように振る舞うから。

　何も知ることが出来なかった。

「A」

　顔を上げるとコネシマさんがいた。複雑そうな顔をして私を見つめる。いつも平気な顔して約立たず呼ばわりする癖に。

「コネシマさん、私、ようやく貴方のお役に立てましたね」

　私が極上の笑顔を浮かべると、コネシマさんは泣きそうな顔になった。