【d!】主役にクリスマスローズを【夢】 (ページ25)

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25.決着やいかにページ25

出処不明のガキって言われちゃったよ。その通り過ぎて何も言えない、のは普段の私。今はあくまでもショッピさんに一目惚れして力づくで手に入れた大人の女なんですよ、多分。

「ねぇ、考えなおさない？私の方がお金も地位も愛もある。貴方のことを理解しているし、たくさん見てきたのに。勿体ないと思わない？」

　本当にこんなに素敵な人をふるなんて勿体ない人だ。今はちょっと恋の病のせいでおかしくなってるけど、根は誠実で優しそうなのが見ていて分かる。おまけに美人で金持ちでしょ？完璧じゃん。

　とはいえここで"どうぞ貰ってあげてください"なんて言ったら後で殺されかねない。きちんと仕事をしないと。

「俺はあんたなんかよりAがいいと思ってるんですけどね」

「そんなっ、ショッピさんは騙されているのよ！こんなデコ娘に私よりショッピさんを愛す価値があるとは思えないわ！」

　みのりさんは感情を昂らせすぎて私に水をぶっかけてきた。コップごとじゃなくてよかった……ここで流血とか笑えない……。

　ショッピさんがハンカチで濡れた顔を拭いてくれた。何故か口元がひきつっている。私が怪訝そうに見つめると耳元で何か囁かれた。

「デコ娘さん大丈夫？」

　耳元で笑うな。
　貴方のために隣で大人しくしてやってるのになんでわざわざ貴方が煽ってくるんだ。やめろ。

　そんなやりとりすら彼女にはイチャつきに見えたのだろう。いや、どっからどう見てもこれはイチャついてるようにしか見えないわ。まさかそういう作戦？相手の様子からして逆効果っぽいけど。もっと普通に説得してよ。みのりさん掴みかかってきたじゃない。

「あんたねえ！」

「っ、あります」

「は？」

　胸ぐらを掴んだままみのりさんは固まる。

「確かに私は藤津様と違って、お金持ちでも美人でも無いです。あなたの方がショッピさんのことをたくさん見ていて、よく知っているんだと思います」
「じゃあ……」
「でも、私だって彼のことを愛しているんです。それをきちんと彼は受け入れてくれた。私の想いを、私のことを、理解してくれました」

　力が緩んだみのりさんの手をぎゅっと握る。

「私も貴方に負けないくらい、ショッピさんのことを理解出来るようこれから頑張ります。それでも、私は藤津様と違って彼を愛す価値が無いのでしょうか？同じ恋する乙女では無いのですか？」

　みのりさんの月のように綺麗な瞳をじっと見つめると、彼女の頬に涙がつたった。