15.萌えは争いの種となる ページ15
オスマンさんに髪を結ってもらい、そのまま総統様のお部屋に連行される。何度か抵抗を試みたのだけど、この人とにかく口が上手くて、メイド服を着る以外の選択肢がいつの間にか私の中から消えていた。怖い。
お披露目するとめちゃくちゃ褒めてくださった。心做しか楽しんでいるように見える。こっちは人形になった気分だ。
「アイツちゃっかり緑のリボンつけおって……まぁええ。そんじゃ仕事行くぞ仕事」
ぶすっとした顔でコネシマさんが部屋から私を連れ出す。そんなに気に入らないのかこの姿。
私の仕事は屋敷の掃除とメンバーの手伝いが主となる。料理や洗濯は各自でやるみたいで、意外と仕事は少なそうだ。ただ、屋敷はとっても広いので掃除だけでもかなりの体力を消費する。現に私の足はガクガク震えていた。疲れと寒さによって。
「寒すぎません？！」
「仕方ないやろ。暖房つける金が無かったんや」
じゃあもっと屋敷狭くしなよ！！
倉庫近くの廊下は薄暗いし狭いしとても寒い。どんな造りになっているんだここは。この環境の中で薄着のまま掃除とかなんの修行だよ。
慣れているのかコネシマさんは仁王立ちで私を急かす。手がかじかんで上手くモップが掴めない。カイロ、せめてカイロが欲しいです先輩。
「お前産まれたての鹿みたいやぞ」
「コネシマさんもメイド服でここに立ったらこうなりますよ」
「やっぱメイド服アカンな。もう一度交渉したるわ」
「シッマそれは勿体ないやろ。なぁショッピ君」
「いや、別にどうでもいいです」
コネシマさんが再び総統ルームへ向かおうとすると倉庫から緑パーカーさんと紫ライダーさんが出てきた。紫ライダーさんのお名前は多分ショッピだろうが緑パーカーさんは分からない。なんであの時に一斉に自己紹介してくれなかったのだろう。いちいちあだ名から本名に変換していくなんて効率が悪いわ。
「チッスAちゃん。ゾムです！」
「ゾムさんですね。よろしくお願いします」
ゾムさんは二っと笑って手を挙げる。ノリの良さそうな方だ。対してショッピさんは気だるげ……というか疲れてますオーラが半端ない。何か大変な仕事でも任されているのかな。
極寒の中でコネシマさんとゾムさんが私の仕事着について論争をしているのをぼーっとショッピさんと眺める。コネシマさんには申し訳ないが、なんだかここまでくるとどうでもよくなってくる。
「ごめんなさい、クソ先輩がうるさくて」
「い、いえ……大変ですね」
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もちちも(プロフ) - はじめまして。お話の内容や進み方など全て好みで読みやすく思わずコメントしてしまいました（ ; ; ）これからも更新楽しみにしております。 (2019年2月16日 18時) (
レス) id: 11fc00f5c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泥濘ミシェル | 作成日時：2018年12月24日 21時
