【ロボトミ】調査対象に好かれる短編集

来ないなら無理やりに ・赤ずきんの傭兵 ページ21

今はなんにも作業が無いのでただのんびりと施設内を歩いていた。

『(こうして歩いてみると意外と大きい施設だなぁ……)』

いつもは忙しくて見れなかった所や装飾……なんだか新鮮な気持ちになった。のんびりと歩いていた時の事、

____ 赤ずきんの傭兵が脱走！

……彼女が脱走するのは珍しい。いつもなら大人しくしているのだが、ターゲットは自分じゃ無いだろうと思った。が、その予想は違った。

「ちょっと、A？」

「とりあえず来てくんない？」

『……えっ、うん？』

ターゲットはAだった。彼女はAを見つけた途端手を掴みだして来た道を戻る。

『……何があったの？』

「話は後でで良いかしら？」

『……分かった。』

声をかけてみたが強い圧を感じる声で聞くのを諦めた。……彼女に振り回されてやっと収容室に着く。

「……あんた最近全然来ないじゃない。」

『意外と作業が多かったから……』

どうやら嫉妬でもしていたようだ。嫉妬したからと言ってそっちから攫っていくのは予想外過ぎたが。

「これからは私の所にも来なさい？」

『時間があればね』

「……なら今の時間を堪能させてもらうわ」

そういうとAにくっついてきた。無言で撫でられたり、ハグしてきたり……色々と構われた。

「ん、今日はこれで十分だわ」

『あれ、ギフトじゃん！』

「満足できたからお礼……って奴ね」

『やったぁ、これからも使わせてもらうね』

いつもの顔よりも少し笑顔になっている様な気がした。




__________
赤ずきんネキかっこいい……

2人だけの音 ・静かなオーケストラ→←不安を包む ・死んだ蝶の葬儀

今日のアブノマ

夢見る流れ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す