血祭りの…

3: スティーブ・ロジャース ページ3

Aが生理痛で辛いらしい。

僕が心配そうな顔をしていたら、彼女があっさり教えてくれた。


「何か僕にできることは？」


床に横たわる彼女に何かしてあげたくて、でも自分では何をしていいかわからない。


『お腹をさすってほしいかな』

「そんなことでいいの？」

『そんなことじゃないよ、お腹をさすってるとお腹があったまって痛みが減るんだよ！』


ほら、早く！と急かす彼女のお腹に手を乗せる。


横たわる彼女と、その隣に正座をして彼女のお腹をさする僕。


「何？」


彼女が面白そうに僕の顔を見つめているから思わず聞いてしまう。


『すごく真剣な顔をしてるなーと思って。』

「僕なりにこだわりのリズムと手の軌道があるんだ」

『嘘だ〜！』

なんて軽口を叩き合う。

こうしてる間にもAが少しでも楽になってくれるといいんだけど。



『スティーブ？足、痺れない？』


自分だってお腹が痛くてしんどいはずなのに、僕の心配をしてくれるA。


「これくらい平気さ。

本当は君の代わりに僕のお腹が痛くなればいいのにって思ってるくらいだしね。

本当に代わってあげたいよ…」

僕がそう言うと、Aは悲しそうな顔をする。


『スティーブが痛いのは嫌だなぁ』

「そのAの気持ちが今の僕の気持ちなんだよ。

Aは僕の心配なんてしないでゆっくり休んで」

僕の言葉にAがいいこと思いついた！とでも言いたげな顔をする。


『じゃあさ、スティーブも休もう？

あれ観よう。スターウォーズ。スティーブのメモに書いてあったじゃん。この間スタートレックは観たでしょ？

私、スティーブと映画観たいな』



この後、スターウォーズ派かスタートレック派かでバトルが起こったとか起こらなかったとか。

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