3-6.ぶりっ子ちゃんの推理 ページ7
「グループの代表者の方で、先生とじゃんけんしましょー。勝った人から好きな順番を決めて前のボードに書いてくださいね」
テーマ決めの次は順番決め。次々と選ばれた代表者が立ち上がる。わたしたちも決めないと、と蘭ちゃんに目を向けるが、彼女は途端に顔色を悪くして、代表者は勘弁してほしいという意思を示した。
無理もない。代表者には責任が伴う。わたしだって出来れば避けたい。そもそもわたしはじゃんけんに自信がない。いつも肝心なところで負けて損をする。
でも、この状況をぶりっ子らしくポジティブに捉えると……ここはわたしが代表者になって、颯爽と勝ち抜けるかっこいい姿を蘭ちゃんに見せれば、好感度うなぎ登りでは！？
「提案したのはもえたんだしぃ、もえたんがじゃんけん頑張るっ♪」
「あ、ありがとうっ……ごめんね、任せちゃって……」
「いーのいーのぉ♡ 何番がいーい？」
「何番でもいいよ……あ、でも……出来れば、一番は、ちょっと……」
「おっけー♪ よぉ〜し、もえたんちょっと本気出しちゃうぞ〜♡」
「頑張ってね……！」
準備運動に腕をぐるぐる回しながら、代表者のわたしは勇んで立ち上がる。必ずや蘭ちゃんの期待に応えてみせる。
「じゃあいきますよ〜」
先生と、わたしたち代表者が拳を上げる。神経を研ぎ澄ます。じゃんけんは心理戦だ。相手の心を読めば、自ずと出すべき手が分かる。
この情報の先生は、綺麗好きを少し超えて潔癖症な面がある。ホワイトボードを執拗に掃除するし、テーブルのポジションの調整には余念がないし、この間職員室に行った時は机の上にアルコール除菌スプレーが置かれていた。
そういう綺麗好き特有のストレスか、まだ若そうな見た目なのにすでに髪が薄い。若いうちからこれでは数年後は……。こんな不吉な未来を抱えていれば、チョキなんて浮かれたものは出さないだろう。だから、わたしが出すべきは――パーだ！！
「じゃーんけーんぽんっ！」
負けた。
3-7.ぶりっ子ちゃんの古傷→←3-5.ぶりっ子ちゃんの提案
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 333人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やま(プロフ) - 面白いです、笑っちゃいました。 (2021年9月19日 13時) (
レス) id: 0eb68c7075 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - あ、真白と同一人物です！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - 思わず笑っちゃいました！しかも、なんか余計にクラスの人に�猜僂陛朖瓩辰道廚錣譴修Δ覆海箸鬚錣兇錣供帖帖帖帖�この小説凄く面白いです！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - 真白さん» ぶりっ子についてプレゼンする人なんてそうそういないですよね（苦笑） (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» ありがとうございます！！一人一人の登場人物をこんなに丁寧に見てくださって本当に嬉しいです！（いつか名前も覚えていただければ大変恐縮です！）りうむちゃんのことも好きになってもらえて嬉しいです、ぜひ推してあげてください！ (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：豆の字 | 作成日時：2019年12月7日 15時
