3-5.ぶりっ子ちゃんの提案 ページ6
わたしは考えることを一旦やめて、周りの喧騒に注意を向けた。
女子リーダーの
翻ってわたしの初めてのターゲットにされた田山君は、もうひとりの友達とお互いに眼鏡を向き合わせながら話し込んでいた。話の内容は詳しくは聞き取れなかったが、真面目な田山君のことだから、テーマについてだろう。
他のグループも、無事決まっていたり、行き詰まっていたり、諦めていたりと進捗状況は千差万別だった。
「あと三分経ったら、順番決めのじゃんけんをします」
決まっていないグループから焦りの声が上がる。わたしたちも同じだ。何でもいいから、何か絞り出そうと、脳に残っている記憶を漁り回った。
やがて見つけたのは――さっきのふたつの悩みの種だった。わたしたちの間にある微妙な距離感と、ぶりっ子としての迷い。わたしは何かに突き動かされるように顔を上げた。
「ぶりっ子について……」
誰ともなしに呟くわたしに、蘭ちゃんも顔を上げてこっちを見た。
「許されるぶりっ子の条件……なんて、どうかなっ！」
さも名案を出したかのような声色でわたしは言い放ったが、はっとして目を伏せた。だって、これはわたしがやりたいだけのこと。蘭ちゃんは、トラウマとも言えるぶりっ子のことなんて知りたくはないはずだ。
「それ……！ やりたいっ……！」
と思いきや、突然蘭ちゃんは身を乗り出して関心を露わにした。こんな彼女を見るのは初めてなので、「ほ……本当にいいのぉ？」と少々気圧されながら確認すると、力強くうなずき恥ずかしそうにこう続けた。
「だって、もっと知りたいから……朝戸衣さんのこと」
かくしてわたしたちのプレゼンテーションのテーマが無事決まった。
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やま(プロフ) - 面白いです、笑っちゃいました。 (2021年9月19日 13時) (
レス) id: 0eb68c7075 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - あ、真白と同一人物です！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - 思わず笑っちゃいました！しかも、なんか余計にクラスの人に�猜僂陛朖瓩辰道廚錣譴修Δ覆海箸鬚錣兇錣供帖帖帖帖�この小説凄く面白いです！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - 真白さん» ぶりっ子についてプレゼンする人なんてそうそういないですよね（苦笑） (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» ありがとうございます！！一人一人の登場人物をこんなに丁寧に見てくださって本当に嬉しいです！（いつか名前も覚えていただければ大変恐縮です！）りうむちゃんのことも好きになってもらえて嬉しいです、ぜひ推してあげてください！ (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆の字 | 作成日時：2019年12月7日 15時
