3-33.ぶりっ子ちゃんの同胞 ページ34
「確か七巻の……147ページ辺りかな。敵に夢を奪われたひめのちゃんを、かなえちゃんが助けるシーン。ひめのちゃんがツンとしながらも照れくさそうにお礼を言うところが好きみたいで、そこばっかりやってたなー。懐かしいな〜。まあそんな感じです！」
わたしは夏目先輩の言ったページを記録した。何かしらを解く鍵になるかもしれないから。
「お次は〜、『らぶりぃピーチプリンセスえんじぇる♡』さんから！ ……見覚えのあるお名前な上になんかグレードアップしてる！？」
読まれた！！
録音の妨げにならないように、蘭ちゃんと必死に声を殺しながらガッツポーズした。
「えっと、『生徒会長さんは、ぶりっ子についてどう思いますか？ また、どんなぶりっ子なら許せますか？ 素直な意見をお聞きしたいです。どうかよろしくお願いします。』……あー、ぶりっ子に関してですね！ うん……ん〜……ぶりっ子か〜……そう、だなぁ……」
何というか、色々な感情を混ぜ込んだような声色だった。言いたいことを好きなだけ言う夏目先輩にしては珍しく、波風立たない言葉を探っているような、歯切れ悪い調子だ。
「……あんまり……良い印象を持っていませんでしたね。テレビの再現VTRとかでよく見る、あの意地悪な感じがどうしても強いんですよね。自分本位な性格で、誰よりも注目を浴びるためなら手段を選ばず、誰かをいじめたり、周りの人に迷惑をかけたり……。そういうぶりっ子が、おれは好きになれなかった」
……それは、ごもっともだと思う。テレビも、あの夢小説サイトのぶりっ子と同じように、悪女と同列に扱っているから。
「でも、よく考えてみたら、気づいてしまいました。――自分と、似てるかもしれないって」
夏目先輩と、ぶりっ子が？
要領を得ないまま、次の言葉を待った。
「テレビのぶりっ子のように、おれも目立つことが大好きです。物心ついた時から、周囲から注がれる視線を好物にして生きてきました。正直、生徒会長になったのも、人前に立つ口実が欲しかったから……だったり。そんな人間だから、分からなくもないかも」
ここで一呼吸置く。そして、白状をするような、少し苦みを含んだ口調で、おもむろに継いだ。
「自分より目立ってて、自分よりすごい人を見ると、正直ムカつきます。結構嫉妬します。あいつにだけは負けたくないって対抗心を燃やします。……テレビのぶりっ子も、そんな気持ちがあって、ああいう言動に走ってしまうのかなって」
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やま(プロフ) - 面白いです、笑っちゃいました。 (2021年9月19日 13時) (
レス) id: 0eb68c7075 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - あ、真白と同一人物です！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - 思わず笑っちゃいました！しかも、なんか余計にクラスの人に�猜僂陛朖瓩辰道廚錣譴修Δ覆海箸鬚錣兇錣供帖帖帖帖�この小説凄く面白いです！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - 真白さん» ぶりっ子についてプレゼンする人なんてそうそういないですよね（苦笑） (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» ありがとうございます！！一人一人の登場人物をこんなに丁寧に見てくださって本当に嬉しいです！（いつか名前も覚えていただければ大変恐縮です！）りうむちゃんのことも好きになってもらえて嬉しいです、ぜひ推してあげてください！ (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆の字 | 作成日時：2019年12月7日 15時
