3-17.ぶりっ子ちゃんの談義 ページ18
自室に戻ると、蘭ちゃんが正座をして待っていた。わざわざ絨毯から離れた地べたで。遠慮せずに、とローテーブルの前に座らせ、氷入り麦茶とお盆のお菓子を飲み会の上司の如く勧めた。
束の間、一緒にまったり食べた。蘭ちゃんは遠慮してあまり手を伸ばそうとしなかったけど、談笑するうちに緊張が解れていく様子が見て取れた。
幸せな時間。でも、いつまでもそれに浸っていられない。
「それじゃあ、ぼちぼち……」
「うん……」
わたしは立ち上がり、お菓子の包み紙が広がったテーブルの上にパソコンを置く。蘭ちゃんは包み紙を片付けつつ、手提げカバンから筆記用具を取り出す。
「ぶりっ子プレゼン会議、始めるぞ〜♡」
「おー♡」と小首を傾げて拳を突き上げてみせる。少し遅れて蘭ちゃんも「おー……！」と恥ずかしそうにノッてくれた。
「あ、朝戸衣さん、実は発表の構成みたいなものを大まかに書いてきたんだけど……」
「え、そうなの！？ 見たいな見たいな〜♡」
「本当に適当だけど……」と、スマホのメモ帳を見せてくれた。
1.導入 問題提起 ぶりっ子嫌われがち…なぜ？
2.ぶりっ子とは 定義と特徴を挙げる
3.なぜ嫌われる？ 色々具体例を出す
4.どうすれば許される？ 2を踏まえて
5.まとめ 悪いぶりっ子ばかりじゃない！
「こんなに考えてくれたんだ……。ご、ごめんね、もえたん言い出しっぺのくせに何にも準備してなくて！」
「ううんっ！ 私が勝手にやって来ただけだから……！」
己の甘さに反省した。蘭ちゃんがここまで考えてくれているのだから、ぶりっ子であるわたしはそれ以上に真剣に取り組まなければ。
「じゃあ、この塒さんの構成に沿って考えていこっか♪」
「う、うん……！」
まずはぶりっ子の定義。ネット上の辞書だったり電子辞書だったりを頼みにしてみる。
「主に異性に対してかわいこぶる人のこと。いい子ぶること。露骨にかわいくて素直な子であるかのように振る舞うこと。それらしく見せようとする態度が見えすいて鼻につく人……」
再確認がてらに読み上げてみた。何も間違ったことは書かれていないが、辞書に盛大に毒を吐かれた気分になった。
とりあえずはそれをパソコンに打ち込む。ぶりっ子が「鼻につく人」とは……否定は出来ないが、世間はわたしが思う以上に手厳しい。
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やま(プロフ) - 面白いです、笑っちゃいました。 (2021年9月19日 13時) (
レス) id: 0eb68c7075 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - あ、真白と同一人物です！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - 思わず笑っちゃいました！しかも、なんか余計にクラスの人に�猜僂陛朖瓩辰道廚錣譴修Δ覆海箸鬚錣兇錣供帖帖帖帖�この小説凄く面白いです！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - 真白さん» ぶりっ子についてプレゼンする人なんてそうそういないですよね（苦笑） (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» ありがとうございます！！一人一人の登場人物をこんなに丁寧に見てくださって本当に嬉しいです！（いつか名前も覚えていただければ大変恐縮です！）りうむちゃんのことも好きになってもらえて嬉しいです、ぜひ推してあげてください！ (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆の字 | 作成日時：2019年12月7日 15時
