―抜毛症― ―N×S―part２ (ページ15)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:121,440 hit

■―４５―　ページ15

.

.

.

「翔くん、いいねー！

今日も良い顔してるよ！今度はクールにキメて」

.

パシャパシャと、シャッターの音

カメラマンにおだてられて

俺は笑顔を作ったり、ポーズをキメたり

.

撮影してる時、ふと思ってしまう時がある

俺は何で

おかしくもないのに、笑ってるんだろうって…

.

.

.

「はい！じゃあここで２０分ほど休憩ね！」

翔「はーい…」

.

休憩、か………

撮影はまだ残ってる

なのにもう、顔が痛い

表情を作りすぎて痛い

.

.

ため息をつきながら、控え室へと戻った

…智くん、多分控え室だよな？

.

正直、智くんが相手なら

ぜーんぜん気を使わなくていいから、楽だ

.

.

翔「智くーん。疲れた！

すぐにお茶買ってきて！」

と、言いながら控え室のドアを開くと

.

.

智「あっ…危ない！」

という大きな声と共に

.

.

翔「っ………！！」

.

頭に何かが勢いよく当たった

「いったぁ…」と呟いて、頭を抑えて

その場にしゃがみ込んだ

.

足元には、ゴムボールが転がっていた

コレって一応頭に当たっても痛くないやつらしいけど

でも今のはめっちゃ痛かった………

.

.

智「ごめんね～。実はキャッチボールしてたの」

全然、反省してない様子の智くんにイラッときて

.

.

翔「控え室でキャッチボールなんかすんな！

マジふざけるなよ！もし顔に当たってたらどうすんだよ！

本当に常識ないんだから…」

怒鳴りつけて、ゴムボールを智くんに投げ付けた

…なのに、ヒラリと交わすもんだから、これまた腹が立った

.

.

.

和「まぁまぁ。そんなに怒らないでよ～」

翔「………え？」

.

な、何で？

.

.

和「キャッチボールしようって言い出したのは僕の方

だから、智を怒るのは間違いだよ？」

翔「何で…。ちょっと、どういう事なの？」

.

どうして、ここに………

.

.

翔「何であんたがここにいんの！？

ここっ…一般人は立ち入り禁止なんだよ？」

和「あれ、知らなかった？僕…ココ、顔パスなの」

.

顔パスって…

.

.

翔「ちょっと智くん

どういう事なのか説明してよ。何でこいつ、顔パスなの？」

智「えー、説明しろって言われても…」

.

まさか二宮くんって実はここの大御所？

一体何者なの？

.

.

.