―抜毛症― ―N×S― (ページ25)

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■―２５―　ページ25

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翔「止めた方がいいと思うよ？」

キッパリと言い放った

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潤「やっぱり…俺じゃ…無理、ですか…？」

翔「いや…そうじゃなくて

モデルの仕事ってのは…結構、大変ってか過酷だし」

潤「…そうなんですか？」

翔「…うん。モデルの世界ってさ

一見華やかに見えるけど…実際は、過酷でハードな世界だよ」

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………なんて

そんなの嘘。まぁちょっとは大変だけど

別に過酷って程ではない。俺からしたらね

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潤「そっか………

じゃあ…止めた方が、いいかもですね…」

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だけど

こういう脅しの言葉を言い放ってでも

潤がモデルを目指すのは阻止させたい

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だって………

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潤「でも………俺も

翔さんみたいに…輝きたいなぁ………」

翔「………」

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潤は自分では自覚してないみたいだけど

かなりの美少年だ

正直いつスカウトされてもおかしくはない

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オーディションに応募すれば、確実に合格するだろう

そして………すぐに人気が出るのも間違いなし

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潤くらいのルックスなら

あっという間に人気モデルという地位を手に入れられるだろう

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きっとすぐ

俺を追い越してしまう………

もし、潤がモデルデビューすれば

きっと俺は霞んでしまう。潤の人気に押しつぶされて

あっという間に地位を失うだろう

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だから………自分の地位を守るために

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翔「とにかく止めた方がいいよ

後で後悔しても遅いしね」

自分が落ちるのが怖いから

今の地位を失う事が怖いから

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だからあんたがモデルを目指すのを全力で阻止しないと

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翔「…そろそろ、教室戻った方がいいんじゃない？」

潤「え…あ！！本当だ！授業始まる！

それじゃあ翔さん、また来ますね！」

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バタバタと

潤は慌てて教室に帰っていった

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………騒がしい奴

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自分の席に座って

チャイムが鳴る１分くらい前に雅紀が教室に戻ってきた

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翔「…雅紀

その絆創膏、どうした？」

雅「え………」

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雅紀の頬には絆創膏が貼ってあった

あ、額にも貼ってある

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雅「…ちょっと、転んじゃっただけだよ」

翔「ふーん、そう」

雅「………………」

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馬鹿なうえにドジな奴。どうしようもないな

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