―抜毛症― ―N×S― (ページ17)

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■―１７―　ページ17

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翔「あーあ…もう！

マジで最悪なんだけど………」

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今は

学校も終わり、放課後

でも俺は他の奴みたいにそのまま家に帰って

呑気に休めるわけじゃない

学校の後は仕事

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そんで今は撮影スタジオの

いつもの控え室

そこに俺と智くんの２人きり

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智「どうしたの…？今日もまた不機嫌だね」

翔「またって何だよ…」

智「…別に。で、どうしたの？」

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智くんは呑気に缶コーヒーを飲んでいた

本当にお気楽でいいよな。こいつは

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翔「それがさ…今日は雑誌の撮影と

取材が１件の予定だったのに

なんか…雑誌の取材が急遽もう２件も入ったんだって」

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これじゃあ家に帰るのが確実に遅くなる

予習する時間も

ランニングする時間も、あまり取れない

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智「へ～。そうなんだ～

てゆーかすごいなぁ。本当に翔くんって

大人気だね」

翔「…ったく。毎日、仕事ばっか

毎日仕事と勉強の繰り返し………マジ疲れる」

智「………………………」

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疲れるけど

だからって止めるわけにはいかない

だって止めたら

１番じゃなくなる

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死んだ父さんとの約束が守れなくなる

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智「翔くん…そろそろスタジオに行こうか

だから…スイッチ、切り替えて」

翔「ん、了解」

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仕事になったら

どんなに疲れてても、スイッチを切り替えないと

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スイッチの切り替え

これも一応仕事のうちだ

………今日も、上手くやらないと

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翔(………おっと。ヤバイヤバイ…)

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また無意識のうちに右手で髪の毛をかきむしってた

右手には

抜けてしまった髪の毛が絡みついていた

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