赤い靴/kn ページ24
・
時は明治。
西の方から異人さんがやって来て、日本にはない新しい物で私達の文化水準を上げた。
新しい物に興味津々な日本人はハイカラな服を着て、彼方此方を練り歩いている。
斯く言う私も新しい物が好きで、最近は赤い靴を買った。
横浜は私の生まれた処よりも発展していた。異人さんが来たのが横浜だからなのだろう。
お気に入りの赤い靴を履いて、横浜の街を観光する。周りに
此処は
「お嬢さん」
突然話しかけられ吃驚して勢いよく振り返れば、金の髪と青の目を持った異人さんがいた。
異人さんは辿々しい日本語で私に話しかける。
「きみ、名前は？」
「Aです」
何処の国の人だろう。
「A、イギリスでは聞かない名前や」
どうやら異人さんは英国の人らしい。
「異人さんのお名前は？」
「コネーチル」
「あなたのお名前も日本では聞かないわ」
やろうな、なんて横浜では聞かない言葉遣いで相槌を打つ異人さん。
私をじっと見つめて、異人さんは口を開く。
「A、俺の国に行こうや」
「どうして？」
確かに英国はどんな処か気になるが、私は日本から出られる程お金はないし、
「いいから。な？」
そう言って私の腕を引っ張る異人さん。
周囲の商人達に助けを求めるも、皆目を逸らす許りで誰も助けてくれない。
「グルッペン！」
同じ金の髪を持ち、灰色の目をした異人さんに話しかける異人さん。
向こうの国の言葉で会話をしているから、私は何を話しているのか全く分からない。
「よし、行くでA」
私を引き摺りながら異人さんは無理矢理、私を気船に乗せる。
「離して！」
「アカンよ」
汽船の一室に押し込まれ、カチャリと鳴ったかと思えば扉が開かなくなった。
窓から逃げようと外を見やると、埠頭からどんどん離れていくのに気付く。
私、異人さんに連れられて行ってしまったんだ。
ーーーーー
童謡「赤い靴」オマージュです。
色々説はありますが、それを全部無視して歌詞から与えられた情報だけで書いてます。
一応時代背景とか調べましたが、明治時代の教育レベルとかはどれほどのものか分からないので、フィーリングで読んでください。
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脳内お花畑(プロフ) - ざらめさん» ありがとうございます！お褒めのお言葉嬉しいです！赤いくつの続きですね！お時間いただきますが是非書かせてください！！ (2020年12月10日 2時) (
レス) id: 1816461051 (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ - あの、凄く好きです！どのお話しも内容が深くて、展開が読めずいつもドキドキしながら読ませて頂いてます！中でも「赤いくつ」が大好きなのですが、もしよろしければ続きを書いて頂けないでしょうか...？長々と申し訳ありません。これからも応援しています！！ (2020年12月10日 0時) (レス) id: e42013c8e8 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - 森安里さん» コメントありがとうございます！狙い通りぞわってなってもらえたようで良かったです！！お褒めの言葉嬉しいです！！ (2020年11月19日 18時) (レス) id: 1816461051 (このIDを非表示/違反報告)
森安里(プロフ) - 蛇足で鳥肌が立ちました。最高です。ありがとうございます! (2020年11月19日 16時) (レス) id: 0d0cef0762 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - Qさん» ありがとうございます！！掛け持ちをしているので更新頻度はあまり高くないのですが、どうぞよろしくおねがいします！ (2020年9月27日 21時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2020年9月26日 15時
