化け物が百十三匹。 ページ26
あってる。間違いねェ。完璧だよ。アイツの言う通り、本当にコイツは俺の個性を知ってたんだ。なんで？なんでわかったんだ？誰かから聞いたのか？まさかあのヴィランから？いや違ェ。今重要なのはそんなことじゃねェ。この状況をどうにかしなきゃいけねェだろ。まず無言は駄目だ。んなモンコイツの問いを肯定してんのと同じだ。だからなんか言わなきゃいけねェ。どうする？とりあえず違うって叫ぶか？いやでもコイツはこんな場所まで用意して俺に言ってんだから、それなりの根拠がコイツにはあるわけで。だったらここで否定しても追い詰められるだけじゃねェか？コイツが持ってる証拠を出されてじわじわと苦しめられていくだけじゃねェのか？コイツは無駄に口が上手そうだし、今の俺じゃ戦えそうにねェ。じゃあ素直にはいそうですって頷くか？いやいやそれだけはねェだろ。俺はわかってんだ。俺の個性知ったヤツがその後どうするか。あ？いやでもコイツは俺の個性知ってるんだよな。じゃあなんでコイツはこんな平気なツラしてそこに居るんだ。可笑しいだろ。なんで。俺の個性は、なんでもできる力で、人を殺せる力で、普通は怖がって逃げるか俺を殺そうとするかするはずなのに。違う、違うきっとそうだ。俺が認めた瞬間コイツは俺を殺そうとするんだ。そうに決まってる。ああ腹が立つ。ぜってぇ負けねェ。ぜってぇおれは、おれは…………ああ、そういえばおれなにもしゃべってねぇじゃん。はやくなんかいわなきゃ。なんでもいいからはやく。はやくはやく。
「落ち着け」
「ッ？！」
ばちん、と突然俺の額に何かが弾けたような衝撃が襲った。
少し呆けてた俺だったが、その衝撃がクソワカメにやられたモンだと気づくとすぐになにすんだと顔を上げる。
するとソイツは指をまるめて俺の顔の前で腕を構えていて。
それがデコピンだと理解したと同時に、ソイツは言った。
「ちゃんと息しろ。死ぬぞ」
「！！」
その瞬間、俺はやっと自分が呼吸を止めていたことに気づいた。
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名前決まらないドン(プロフ) - 戻ってくる事を祈って待っております (2019年5月11日 13時) (
レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
あげあげ！ - 主人公のツンツンデレ具合がちょうど良すぎて死にそう(吐血) (2018年7月16日 23時) (レス) id: 94845ca325 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - うふさん» あなた様にこの小説が読み返されていることがとても幸福です！確かにみんな格好良いですよね…！ (2018年7月14日 13時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
うふ - 読み返すたび毎度思う、全キャライケメン。 (2018年7月12日 3時) (レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 餅原 葵さん» 初めまして、コメントありがとうございます！一之瀬君が人気でとても嬉しいです…！そう言っていただけて本当に有難いです！更新頑張らせていただきます！ (2018年7月3日 18時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：●龍● | 作成日時：2017年12月25日 19時
