. ページ43
side SHINOBI
で、
「なんで俺なの…」
いや、心配なのはもちろん心配だし、彼の行動に疑問を持ってはいるけど。
いざ尾行する人員を決めるとなると、満場一致、俺で可決。
気弱な俺は異議申立てもできなかった。
酒場に行くなら童顔に見られるJr.やドクター達は入れないかもしれないし。
そもそも武器メインで戦う人員が多すぎるせいで、もしものとき、素手の近接戦闘に向いているのが俺かソニックハンターしかいなかったのだから、仕方ないと言えば仕方ない。
けど、
「やっぱ1人は不安だよ…」
項垂れてみても、誰も変わってくれやしない。
みんな冷たいんだから、もう！
次の週のある日。
ギークの部屋の前で聞き耳を立てたら、クローゼットを漁る音がいつもより長い。
今日だ。ついにきてしまった。
予想通り、先週と同じように粧し込んで、黒いハットを被った彼が玄関をするりと抜けていく。
「お前にかかってるぞ、SHINOBI」
家を出る直前に、そう言って背中を叩いたコマンダー。
急な圧に、ぶわ、と一気に冷や汗が出た。
今日は、黒いスタンドカラーの半袖シャツに、チャコールグレーのスラックス。
靴は珍しく革製で、きちんと綺麗な格好。
そんな今日の彼には似つかわしくない、ネオンのギラつく繁華街を抜けて、ちょっと先。
奥まった場所で急にギークが姿を消した。
「えっ」
慌ててそちらを窺えば、分かりにくいが脇道の奥の店に入ったらしい。
とっくに日は暮れていて、闇に溶けるような色を彼が召していたせいで、消えた風に見えてしまったようだ。
「クラブ、エイト？」
目の先の店は、酒場なんてもんじゃない。
扉を開けば、大音量と浮かれた人々と、薄暗い空間。
やっぱり彼とは結びつかないような場所だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 296人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かじ(プロフ) - 佐々木さん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです。拙い文ですが、楽しんで読んでもらえたら幸いです。 (2018年7月5日 0時) (
レス) id: cc9d60b609 (このIDを非表示/違反報告)
佐々木 - すぺてのお話がキュンキュンします。次のお話も楽しみにしています。 (2018年7月3日 21時) (レス) id: e2f78d2bae (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - 特にことばにできないが大好きです！伊野尾くんが幼い感じのおはなし待ってますね、、、 (2018年6月27日 22時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)
かじ(プロフ) - 琳さん» はじめまして。ご丁寧に感想をありがとうございます。恐縮です。拙い文ですがこれからも読んでいただけると嬉しいです^ - ^ (2018年6月27日 22時) (レス) id: 76a26e19db (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - かじさんはじめまして！いつも楽しく読ませてもらってます！！すごく大好きなお話ばかりで更新が楽しみで仕方ないです(*´∀｀*)これからも頑張ってください！ (2018年6月27日 21時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かじ | 作成日時：2018年6月17日 23時
