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「うわ」
人多すぎ。ついでに治安も良くない。
人の間を縫う度に、女性からの視線が熱いし、男からの視線も痛い。
こういう場所に慣れていないわけじゃないけど、海外と日本じゃこうも勝手が違うものか。
きっと日本の気候のせいだ。
あっちじゃ、客の間が乾いていた。
こんなに欲とか何かでじっとりした空間じゃなかったはず！！
なんて、目的の彼を探すことより人の間を縫うことに集中したせいだろうか。
「っ、いった」
「へ、あ！Excuse me, sir !」
突然現れた男にぶつかってしまった。
どうやら、というか当たり前だけど、酔っているらしい。
聞き慣れない訛りで、何かを呟いたかと思えば、いきなりだった。
「え、」
その男がおもむろに、拳を構えた。
突然のファイティングポーズ。
戸惑う暇も与えられず、繰り出されたストレートを、反射で避けたのがいけなかったのかな。
「お前やるやんけ！！」
相手の口角が上がったのを、確かに目で捉えてしまった。
side geek
「けいくん、また来たん？」
シェイカーを振る長身の彼が、肩頬を上げて微笑む。
その隣に立ってこざこざした料理を作る八重歯の彼も、「おお、」って目線をチラ、とこちらへ向けた。
「アーセナルさんは？」
「カウンターの方には、来てへんよ。ホールのどっかにいるんと違う？」
そっか。なら仕方ない。
人混みをかき分けてまで探しに行くほどのことでもないし、待ってたら来るかな。なんて切り替えて、大人しくカウンター席へと腰掛けた。
「珍しいな、なんか呑んでくか？」
「俺酔うもん、お酒はいいです」
「なら、ジャッキーになんか作ってもらい」
「せやな！新作でも食うてもらおか！」
そう言っていそいそと奥へと捌けていったジャッキーさんを見つめる、目の前のバーテン。
これを見るために、わざわざこのクラブに通っているようなものである。
「ジョニーさんってば、本当一途。」
「また馬鹿にして、」
「してないですよ」
俺は、きっちり答えの出せない問題を抱えて続けていられる性分じゃないから。
目の前の彼を好ましく思う理由の一つだ。勿論、友人として。
「今日のご予定は？」
「アーセナルさんの銃のメンテと、トッポさんに頼まれてた玩具の設計図を届けに。」
「トッポ何頼んだん、」
「花火の側ですかね。火薬にも手を出してるんでしょ？」
しれっと言うと、優しい彼の深い溜息が聞こえてくる。
見やれば複雑そうな顔をするから、曖昧に笑って流した。
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かじ(プロフ) - 佐々木さん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです。拙い文ですが、楽しんで読んでもらえたら幸いです。 (2018年7月5日 0時) (
レス) id: cc9d60b609 (このIDを非表示/違反報告)
佐々木 - すぺてのお話がキュンキュンします。次のお話も楽しみにしています。 (2018年7月3日 21時) (レス) id: e2f78d2bae (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - 特にことばにできないが大好きです！伊野尾くんが幼い感じのおはなし待ってますね、、、 (2018年6月27日 22時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)
かじ(プロフ) - 琳さん» はじめまして。ご丁寧に感想をありがとうございます。恐縮です。拙い文ですがこれからも読んでいただけると嬉しいです^ - ^ (2018年6月27日 22時) (レス) id: 76a26e19db (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - かじさんはじめまして！いつも楽しく読ませてもらってます！！すごく大好きなお話ばかりで更新が楽しみで仕方ないです(*´∀｀*)これからも頑張ってください！ (2018年6月27日 21時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かじ | 作成日時：2018年6月17日 23時
