気づかれる。 ページ45
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すると俄かに入り口付近がざわつきだして、何事かと目を向ける。
「げっ」
「うわ」
そこには、白鳥沢学園男子バレー部のレギュラーメンバーが勢ぞろいしていた。
デカいからすぐにわかる。
どうやら五色を見に来たらしい。
思わず漏らした声はそこまで大きくなかったはずだが、何故か天童さんがこちらに気づいた。
「おっ、妹チャンも来てんじゃ〜ん」
「……こんにちは」
ちひろと目を合わせる。
面倒臭い顔だ。
多分私も同じような顔してる。
呼んでないのに、五色も加わった大集団はこちらに向かってきた。
威圧が凄いなどというレベルではない。
やっちゃんは多分死ぬ。
天童さんがちひろの方に目線を向けたので一応紹介しようとしたが、その前に遮られた。
「小島?」
「……お久しぶりです白布先輩」
白鳥沢のセッターに驚いたように名前を呼ばれ、小さく頭を下げるちひろ。
ちひろの方は存在を把握していたが、白鳥沢のセッターの人はちひろが烏野だということを知らなかったらしい。
「え、賢二郎知り合い?」
「中学の、後輩です」
「ウチのセッターです」
私も付け足した。
肩をポンポンしたが迷惑そうに振り払われる。
酷い。
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作者名:にはろ | 作成日時:2020年6月20日 10時