及川妹、リベロになる。２ (ページ16)

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三対三。ページ16

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じゃんけんで、私のサーブから。

「おおおお、大王殺人サーブの妹のサーブ！」

「大王殺人サーブ……？」

「ぶちかませ及川！」

「おうよ！」

そのやり取りに、向こうのチームは身構える。

それを見て、私は緩む頬を引き締めた。

「及川ナイッサー！」

「ナイサー」

サーブトス、いい感じ。

助走からの踏切、うん、おっけ。

そんで、勢いよく……。

「……あっ」

灰羽の方に向かったボールは、レシーブの直前でくい、と曲がった。

そのままうつ伏せに倒れ込んだ灰羽に笑顔の応酬。

「ジャンプフローター……！」

「兄妹揃って頭はいいわけね……」

「うおおおおお！」

「日向のおかげだべ！」

会話による相手の思い込み。

これが試合の駆け引きって徹に教えてもらった。

あと残念ながら殺人サーブは無理です。
ネットの高さ違うし、最近跳んでないのでね。はい。

「うわあの笑顔腹立つ」

「チクショー！次は取る！」

「私が取る！」

「えー」

次のサーブも無回転。

ちょっと失敗して星に普通に取られてしまった。

うわドヤ顔腹立つな。

そのままカウンター取られて一対一。

「ベストリベロ舐めんな」

「……ひよっこセッターは黙ってな」

「何だと！」