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最後尾の車両で、三人は座れそうな座席を見つけた。
その前でネビル・ロングボトムがうろうろしていて、彼らはネビルと一緒にコンパートメントに入った。
「こんにちは、ルーナ」
ジニーが挨拶した。
「ここに座ってもいい？」
窓際の女の子が目をあげた。
杖を左耳に挟み、バタービールのコルクを繋ぎ合わせたネックレスを掛けて、雑誌を逆さまに読んでいる濁り色のブロンドの女の子だった。
ユリはその子を知っていた。
一個下の、レイブンクローのルーナ・ラブグッド。
彼女はハリーとユリを見ても怪訝な顔をせずに、うなずいた。
「ありがとう」
ジニーがルーナに微笑んだ。
彼女は入ってきた面々をじいっと見て、唐突に言った。
「あんた、ハリー・ポッターだ。あんたは、ユリ・グリンデルバルド」
「知ってるよ」
ハリーが言った。
ユリは何も言わずに、ルーナの前で小さくなった。
ハリーはそれをちら、と見て、また何も言わずに視線を戻した。
そんな二人の様子に、ルーナが無邪気に口を挟んだ。
「あんたたち、喧嘩してンの？」
その言葉を受けて、コンパートメントの中は沈黙した。
ネビルは固まってヒキガエルのトレバーを両手で握りしめ、ジニーはロンと同じように自分の爪に夢中になったようだった。
ユリは数瞬何も考えられなくなって、そして勢いのままに立ち上がった。
「ハリー！」
「な、なに」
「二人で、話しても、いい」
ユリはハリーの顔を見るふりをして、事実口元を見てそう言った。
ハリーが戸惑い気味に頷いたのを確認して、コンパートメントの外に出る。
そして車両の一番後ろまで行って、ハリーを待った。
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作者名：にはろ | 作成日時：2023年2月18日 22時
