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言いようの無い感情が……ユリの人生ではじめての感情が、ユリの心を侵食していった。
「ヴォルデモートは、スリザリンの血筋を非常に重要視しておる。それゆえに、きみを手元に置きたがるのじゃ。ガーベラやネモフィラに対してもそうじゃった。じゃが、二人ともヴォルデモートに殺された」
ユリは、自分の手が震えているのに今初めて気がついた。
同時に、思考がぐちゃぐちゃに巡りはじめる。
でも、ただ一つ浮かんでくるのは、「ハリーたちはどう思うだろう」と、それだけだった。
「きみが二人と同じになることはないじゃろう、ユリ」
ダンブルドアは、ユリが混乱し恐怖していることに気づいて、そのうえでなおも話をつづけた。
今夜は、特に時間がなかった。
「きみはまだ、二人ほど強力な魔法使いではない。あやつが、未熟なきみに対して強硬な手段を取るほど余裕をなくしておるとは、わしは思うておらぬ」
「えっ、と、先生。わたし……私、」
ユリは言葉に詰まって、何故今声を出したのかもわからずに、口をつぐんだ。
ダンブルドアはそれを見て、静かに言った。
「ユリ。友人に話すも話さぬも、きみの自由じゃ。じゃが、きみはこのあとハリーから、わしがハリーに教えたすべてを打ち明けられるじゃろう。わしがそうするように言う」
そこでいったん言葉を切り、ダンブルドアはユリと視線を合わせた。
静かな涙の膜が張っているように、ユリには思えて、それが何故かユリを少し落ち着かせた。
「わしはこのあとすぐに、ハリーとあるものを探しに少し遠出をする。じゃが、きみを連れていくことはできん。そして、ハリーが同じ目的で旅に出るときがくるじゃろう。ミス・グレンジャーやミスター・ウィーズリーも着いて行くかもしれん。じゃが、きみは行ってはならぬ」
理由を聞いても、ダンブルドアは答えてくれないような気がした。
だからユリが何も言わずに頷くと、ダンブルドアはやっと少し微笑んだ。
彼はユリの髪を、黒く皺枯れたほうの手で撫でた。
何度か往復した後、名残惜しげに離れて、もう一度静かに笑う。
「行きなさい。ハリーを呼ぶのじゃ」
「はい、先生」
ユリは、いやに鮮明に感じる心臓の鼓動を押さえつけながら、校長室を出た。
夜間外出禁止まで、あと三十分を切っていた。
頭の整理がつくのは、いつになるやらまったく見当がつかない。
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岡Ｐ(プロフ) - お話とても面白かったです。この先どうなるのか更新楽しみにしています。 (10月31日 22時) (
レス) @page44 id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - すごく面白くて最高です！応援しています！ (9月28日 1時) (レス) @page43 id: cb75ec721c (このIDを非表示/違反報告)
アミ - この小説を1話読む度に、主人公が感じるドキドキ、喜び、切なさ、愛おしさ、全てが臨場感をもって伝わってきて、満ち足りた気持ちになります。あなたの小説に出会えてよかった、そう思える作品でした。続きを読むのをとてもとても楽しみにしています。ご自愛ください。 (8月30日 19時) (レス) id: 2340b31398 (このIDを非表示/違反報告)
ｴﾇｴﾇ - 最高です！！！！とても面白く、素晴らしい作品だと思いました。ダンブルドアが亡くなったのは６月で、夢主ちゃんのお父さんとの別れは８月前ということはもうそろそろ……？？と思いどうなるのか気になってます。続き楽しみに待ってます〜！！！ (7月26日 16時) (レス) id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 今まで読んだ作品の中で1番好きです。更新楽しみにしてます。素敵な出会いをありがとう。 (7月25日 2時) (レス) @page43 id: c7131ab9ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや。 | 作成日時：2023年4月5日 4時
