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およそ11歳とは思えないしつこさに、ガーベラは思わず眉を顰めた。
頭の回転が速い奴は嫌いではないが、しつこいのは嫌い。
彼女はもう何も言わずに踵を返して、自室へ向かった。
リドルは追ってはこない。
引き際をちゃんと弁えてるのもなんだか腹が立つ。
「あっ花ちゃん」
バタバタと反対側から駆けてくるのはハッフルパフの寮長、ハンゾー・オカダである。
彼の通る半分の廊下は、ザッと道が開いた。
また面倒なのに見つかったと思いながら、ガーベラはため息をついた。
「花ちゃんさ、蝶くん見なかった？」
「見てない」
「そっか〜」
ハンゾーはガーベラのことをハナチャンと呼び、バタフライのことをチョウクンと呼ぶ。
セブンのことは、ナナチャンと呼んだ。
ガーベラの答えに落胆した様子を見せたハンゾーだったが、ふと「名案！」というように顔を上げて、真っ黒な瞳をガーベラに向けた。
「じゃ、花ちゃん一緒に行こうよ」
「え、なに？」
「ケンタウルス狩り」
「ガチで怒られるから無理」
「え〜」
「罰則一週間セブンと同部屋とかだよ多分」
「それはやだ」
「でしょ」
「じゃあ花ちゃんが今から行くとこについてっていい？」
「もう部屋戻るけど」
「チェスの相手したげる」
「ハンゾー弱いじゃん」
「囲碁なら強いよ」
そんな会話の横を、他の生徒たちはいくらか安心して通り過ぎる。
他の寮長といるときのハンゾーは幾分か穏やかだからだ。
何かあれば隣にいる寮長が止めてくれるし。
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作者名：みや。 | 作成日時：2023年1月31日 12時
